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ファイブテンはどこへ行くのか? [用品]

2018. 4.29 追加
2018. 5. 1 追加
2018. 7.11 追加
2018. 7.13 更新
2018. 9.25 追加
2018.12.12 追加

愛用しているアプローチシューズ、ファイブテンのCamp4 Mid GTX(以下、キャンプフォー)が傷んできたので、買い換えようと思ってファイブテンのサイトを覗いてみたら驚きました。

アプローチシューズのラインアップが一新されており、キャンプフォーはおろか、アプローチシューズの元祖とも言えるガイドテニーさえも消えてなくなっていたのです。

そして調べてみると、もっとショッキングな事実が判明しました。


ファイブテンとは?


FiveTen_2.png


FiveTen.png


ファイブテンは1985年、チャールズ・コールが創立したアメリカのアウトドア用の靴の専門メーカーです。自身もクライマーであるコールは粘着度の高い独自の「ステルス・ラバー」を開発し、クライミング以外でも多目的利用できるアプローチシューズ「ファイブ・テニー」を売り出します。

ステルス・ラバーを採用したクライミング・シューズは、クライミングの歴史を書き替えていきました。また、張り替え用のラバー(リソール)も流通しており、他社モデルにステルス・ラバーを張り替える人もいるほどです。

同社は靴のかかとにプルタブをつけたり、ダウントウを採用したり、女性用モデルを販売したりと、新しい工夫をもたらしてきました。

ちなみに、運動靴をスニーカーと呼ぶのは、靴底のゴムが歩く際に音を立てずに人に忍び寄る(sneak on)できることからついたとされます。ステルスはそれよりも優れているという意味でつけられたようです。

性能の評価は高いのですが、ソールのすり減りや異常に早いとか、剥がれやすいという評判も多く聞かれます。自分の靴もこんな状態になりました。

IMG_8207.jpg



国内代理店が中止に!


ファイブテンの日本国内における総発売元は、2002年からキャラバン社が担っています。ところが、キャラバンが2018年末でファイブテンの取り扱いから撤退するというのです。

グッぼるというお店のサイトにこの情報が掲載されています。

グッぼる.png

出典:グッぼる

これによると、書面による通知が届いており、

今後の生産予定は未定
在庫限りで今後の代理店展開も未定
製品継続なのか新製品が出るのか未定


だというのです。一大事ではありませんか!

これまでにもこの業界で、国内代理店が変更になるということはありました。しかし、ファイブテンのケースが深刻なのは、この動きがどうも親会社の意向と密接に関係がありそうだということです。

ファイブテンは2011年、アディダス社に買収されました。その後しばらくはファイブテンの運営に大きな変化は見られなかったようですが、徐々にアディダス化を図ってきて2016年あたりから動きが顕著になってきたようです。

ファイブテンからの公式リリースは出ていません。


アプローチシューズの新しいラインアップ


ファイブテンのアプローチシューズのラインアップは、現在「アクセス」と「アッセント」の2モデルのみです。これは米国サイトでも同じです。使っているソールはStealth S1もしくはMi6です。しかしソールパターンを写真で見る限り、キャンプフォーのような深い溝にはなっておらず、ザレた道や泥道でのグリップ力ははるかに劣りそうです。

色合いはカラフルで、デザインもタウンユースを意識しているように思います。

カモシカスポーツのサイトによると、キャンプフォー及びガイドテニーは2015年春にフルリニューアルをしているようです。

PEAKS2017年4月号の「マウンテンギア2017特集」をみると、このキャンプフォーがまだ掲載されています。したがって、これ以降のタイミングで廃番になったものと思われます。


今後のファイブテンはどうなる?


ファイブテンのラインアップの変更はアメリカの掲示板でも話題になり、張り替え用のソールが入手不能になったと報告されています。
(以下、米ファイブテンをFiveTen、海外アディダスをAdidasと表記します。)

現在、FiveTenの海外サイトはFiveTenのオリジナルとは別に、米AdidasとFiveTenの統合サイトが存在しています。そのトップページにはNew Home of Five Tenと書かれています。米国内ではAdidasがFiveTenの独占販売を行なっており、2018年1月頃よりFiveTenの通販サイトを統合したようです。ここには「Adidasは常に商品ラインアップを調整しています」と、気になる記述もあります。

また、この統合サイトには不思議なことに、本家FiveTenサイトから削除されたガイドテニーが掲載されています。

adidas.png


Adidas/アディダスにはTerrexというアウトドア・シューズのブランドがあり、その中にはCamp4 Mid GTXに顔つきのそっくりなモデルがあります(ソールパターンは別物)。

こうした断片的な情報を突合すると、AdidasはFiveTenと競合製品の整理を図っているように思われます。その途上で取り扱い製品や国別の代理店整理の進捗に不整合があるのでは無いでしょうか。

FiveTenは将来的に完全にAdidas/アディダスの一ブランドになるのかもしれません。あるいはTerrexに完全吸収されるのかもしれません。そう考えると、キャラバンが代理店から撤退するのもつじつまが合います。

キャンプフォーは足の幅が広い自分にピッタリだっただけに、購入ができなくなるのは困った事態です。スポルティバやスカルパも良い製品を出しているようですが、自分にとってキャンプフォーには「多くの岩場をこれで歩いてきた」という実績があります。

今のうちにネットで購入できるものはしておきたいと思います。すでに一部サイズは購入できなくなっています。

今回はアプローチシューズに限定して書きました。AdidasはFiveTenのクライミングシューズのラインアップが多すぎると考えているようなので、こちらにも手が入っていく可能性があります。


結論(2018.7.13更新)


ネット情報をあたった結果、個人的見解としては

Five Tenという企業は消滅するも、Adidasの一ブランドとして製品は継続する

という結論に達しました。

参考までに、その主な根拠を並べておきます。

1. Five Ten本社は移転、その後拠点は不明


Five Tenの本社はロサンゼルスの東約百キロにあるRedlandsというところにありました。
ここは同社のアウトレットも併設されていて、かなり好評だったようです。
しかし、同社はここを2017年末で撤退しました。

アウトレットのFacebookには「会社の拠点はすべて別ロケに移転します」とあります。

Five Ten Outlet.png

移転先の情報は見当たりませんでした。

2. 2019年モデルが発表されている


複数の展示会で、Five Tenの新しいモデルが発表されていることが報告されています。

例えば2018年6月、アディダスのお膝元であるドイツで開催されたアウトドア用品の展示会Outdoorでは、2019年モデルとしてFive Tenniesが発表されています。

これは明らかにファイブテン の初期モデル「ファイブテニー」をもじった名称ですね。

この展示会では、フレッド・ニコル(スイス出身の著名クライマー)が2年間開発に関わってきたAleonも発表されています。

3. アディダスとの結びつきは深まっている


展示会OutdoorでFive Tenの展示ブースは「adidas AG - Five Ten」で登録され、アディダスのTERREXと同一ブースになっています(AGとは日本の「株式会社」に相当するドイツの名称です)。

Exhibitor.png

さらに衝撃的(?)なことには、フレッド・ニコルが手にするAleonにはアディダス・ロゴがしっかりと付いていることです。

aleon.png

その他にもホームページの作りとか、細かいことを挙げると色々あります。

最後に


アディダスの傘下にこれだけ取り込まれたということは、Five Tenが消滅しないというある意味では安心材料なのかもしれません。

しかし残念なのは、FIve Tenのアプローチシューズのトレンドがすっかり変わってしまったことです。ミッドカットモデルが全廃されたこと、そしてキャンプフォーで採用されていた溝の深いStealth S1ラバーがなくなってしまったことです。

これがアディダスの戦略によるものなのか、他の事情によるものなのか分かりません。言えることは、現在のFive Tenのアプローチシューズの商品構成は競合他社のものと似通っているということです。

最近のアプローチシューズはどのメーカーもローカットで、ミッドカットを出しているのはラ・スポルティバぐらいです。これだと歩いているときに小石がコロコロと入ってくるんですよね。しかも靴幅が狭いし。

最近、このページのアクセス数が急増しています。たくさんの声が集まれば、メーカー側に要望する手もあるのかもしれません。


(2018.4.29追加)
Camp4を某楽天ショップで2足注文しました。画面上は在庫あるような表示でしたが、翌日店舗在庫なしの連絡。翌々日にはメーカー在庫なしの連絡とともに、一方的に注文キャンセルされました。

池袋のK山荘、店頭に出展されていますが、展示品のみの在庫。

神保町の老舗Iスポーツに出向き、何とか1足確保。他店舗の在庫もあたってもらいましたが、自分のサイズはありませんでした。各サイズとも1足分の在庫のようです。
ちなみに、Sスポーツはそもそもファイブテンを取り扱っていないようでした。

(2018.5.1追加)
amazon.com(米国)で最後の在庫だった1足を確保。

(2018.7.11追加)
キャラバン社の取り扱いブランドが同社ホームページに掲載されています(2018.7.11閲覧)。

スクリーンショット 2018-07-11 13.25.53.png

いつの間にかKayland(ケイランド)が取り扱いから外れていたんですね。Kayland.comには日本代理店としてキャラバン社が記載されていますが、キャラバン社のホームページには掲載がありません。

キャラバンは2015年頃からケイランドの代理店をしていましたが、取り扱いを廃止するときはしっかりとリリースしてほしいものです。

海外ブランドの国内代理店はけっこう変動があります。安い商品ではないのだから、アフターサービスを考えると本当に困ります。

(2018.9.25追加)
FiveTenの創立者、チャールズ・コール氏が2018年7月、自宅で亡くなりました。まだ63歳という若さでした。

同社を2011年にアディダスに売却してからはビジネスから引退していたようですが、これで私の好きだったCamp Fourの復活の目は完全に絶たれたかなという気がします。

キャラバンは9月から新興のUnparallelの取り扱いを開始。来年から、ファイブテンの後継としていくのでしょう。一方で、この分野では新規参入のミシュランのソールを採用したモデルも各社から出始めています。

世の中は動いています。きっと、もっと良い靴が出てくることを期待しています。

(2018.12.12追加)
キャラバンオンラインストアでのファイブテン商品販売が12月24日(月・祝)で販売終了することがアナウンスされました。

いよいよカウンドダウンです。


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登山靴の選択 [用品]

更新日:2019年4月21日(TX 4 MID GTX)

山歩きで最も大切な用具は登山靴だと思います。もちろんウェアとかザックとかも必要ですが、まずしっかりと歩けなければお話になりません。

登山初心者の自分ですが、けっこう靴を買い揃えてしまいました。その結果、山に行く際には、どの靴を履いていくかが重要な課題になってきました。

そんなわけで、今回は自分の持っている靴についてまとめたいと思います。


靴の選択


登山靴というと「ごつくて重い」というイメージがあります。確かにそのような靴もあります。しかし山登りの目的が増えたのに伴い、靴の種類も軽いものから重いものまで実にさまざまです。

今日の一般的な登山では、装備は軽いほど良いとされています。それは身体に与える影響が少ないからです。それに合わせれば靴だって軽いほうが歩きやすいはずです。トレランをやる人は運動靴のようなローカット・シューズでアルプスを駆け巡ります。

とは言え、目的に合った靴の種類というものがあります。そこでざっくりと靴の種類を4つに分類してみました。あくまでも私の主観です。

トレッキングシューズ
アルパインシューズよりも軽く、しなやかに作られています。履き心地はタウンシューズに近いので、初心者に適しています。足首の捻挫を予防するために、ハイカットが一般的です。

アルパインシューズ
3シーズン向きですが、関東あたりの低山の雪山であれば簡易アイゼンを装着して冬でも使えます。これ一足があればどこの山でも行けます。靴の作りは堅くできていて、ソールもしっかりしています。テント泊用の重装備を背負っても、足の裏の疲れは最小限に抑えられるはずです。足首の捻挫を予防するために、ハイカットが一般的です。

冬靴
本格的な雪山をやるのであれば、防寒仕様で、12枚アイゼンが装着できる「コバ」のついた靴が必要です。

アプローチシューズ
ロッククライミングをやる人が岩場まで歩くのに履く靴、とされています。コンセプトが今ひとつ不明瞭ですが、普段の山歩きで履いても全く問題がありません。ここ数年で一般メーカーも含めて、数多くの製品が発売されています。ミッドカット、ローカットの両方があります。


トレッキングシューズ


■Caravan C6_02

c6_02_578c.jpg
定価:12,500円
購入時期:2012年夏

初めて購入したのがこの靴です。
なんとなく山に登ってみようかなという気になったとき、
エルブレスの店員さんに
 「日本人には日本の靴が合うよ」
と勧められてお買い上げしました。

大きな欠点は、
 ・ゴアテックスを使っていないので降雨時には適さない
 ・ソールが柔らかいのでアイゼンが装着できない
ですが、晴れた日に低山を歩くには特に問題ありません。

所有する靴が10足となった今日、出番がなくなったので処分してしまいました。


■Mammut T AENERGY GTX[レジスタードトレードマーク] MEN

T Aenergy.jpg

定価:22,000円
購入時期:2016年4月

好日山荘で目にして、格好が気に入って衝動買いしてしまいました。
しかしあまり活躍の場がありません。


■LA SPORTIVA BLADE GTX[レジスタードトレードマーク]

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特徴のあるソールパターン。
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定価:22,500円
購入時期:2018年4月

ファイブテン が最愛のCamp4を販売・製造中止にしやがったため、代替品として購入。片足425gと、とても軽いです。早速、牛奥ノ雁ヶ腹摺山で試してみました。

本製品に決めた最大の要因は、他製品と比べて深い溝を持つソールパターンでした。岩場でのグリップ力はCamp4には劣ります。これからいろんなところに持っていって、どれだけ信頼できるのか実績を積む必要があります。

しかしそれ以上の課題は、細身のサイズです。甲の高さが低く、強剛母趾になっている親指の関節をグイグイと押し込んでくるのです。午後になったら足を踏み出すのが億劫になっていました。

がっかりして、帰宅後に米国amazonでCamp4の最終在庫をポチってしまいました。


■LA SPORTIVA TX 4 MID GTX[レジスタードトレードマーク](トラバース X4 ミッド GTX[レジスタードトレードマーク]

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定価:27,000円
購入時期:2019年4月

BLADE GTXを1年で履きつぶしてしまったので、本製品を購入しました。BLADE GTXはサイズ44だったのですが、X 4 MID GTXはサイズがきつめに感じて1サイズUPの45を購入。

購入翌日に棚横手山で試してみましたが、悪くない感じ。片足485gとBLADE GTXより60g重いですが、その差は感じさせません。

ビブラムのソールはFiveTenのガイドテニーを思わせるようなパターン。ザレた道でも問題なく歩くことができました。履き心地としてはソールの厚さが薄めに感じたので、これから長時間歩いても疲れないか確認してみたいと思います。


アルパインシューズ


■LA SPORTIVA TRANGO S EVO GORE-TEX[レジスタードトレードマーク]

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定価:42,000円
購入時期:2014年(たぶん)

山に行くと必ずこの靴を履いた人を見かけるという定番です。
色は黄色、水色、ピンク色ですが、自分はパープルを持っています。
これは石井スポーツのタイアップ商品のようです。

この靴を履いて奥多摩や丹沢にも行っていましたが、
今では低山にこの靴で行くのは大げさすぎで、恥ずかしいです。

【メーカーが主張する特徴】
・トレッキングブーツ並みの軽快な歩行性能と、
 急傾斜の岩稜帯にも対応するクライミング性能
・前後左右に柔軟に動く3Dフレックスシステム
・足首をしっかりと保護しながらもストレスのない歩行感を実現
・セミワンタッチアイゼン対応で、残雪期登山にも最適な一足


■LA SPORTIVA TRANGO ALP EVO GORE-TEX[レジスタードトレードマーク]
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定価:50,800円
購入時期:2015年9月

上記のTRANGO S EVO GORE-TEXを購入してからは、
「これがベストな靴なんだ」と思って履いてきました。

しかし、ソール貼り直しに出したら1ヶ月を要したことから、
その期間の代替用として購入しました。

タンが短めなので、紐がほどけやすいのが欠点です。
また、自分としては砂利や滑りやすい土でのグリップが信頼できません。

【メーカーが主張する特徴】
・ハードトレッキングやアルパインクライミングに対応
・レザーアッパーと、縫い目を排したサブスキン・インジェクション製法を採用
 さらなる堅牢性と防水性を実現
・3000m級のハードな縦走に最適な一足


冬季(スリーシーズン)


■Scarpa Mont Blanc GTX

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定価:4万?5万円だったかな。
購入時期:2013年12月

サイズが大きかったので、あまり履いていません。


■Kayland Super Ice Evo GTX

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定価:57,000円
購入時期:2015年12月

イタリアの登山靴メーカー、1971年創立。
数年前にキャラバンが代理店となり、石井スポーツで見かけるようになりました。

付属する靴紐が少し短めなので、全フックにかけないほうが良いかもしれません。

可もなく不可もないのですが、買ったサイズが小さかったのか左足が強烈に痛くなります。購入した石井スポーツに持参したら、一週間ほどかけて無料でサイズ調整してくれました。



アプローチシューズ


■FiveTen Camp Four GTX Mid

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定価:28,500円
購入時期:2016年5月

妙義の金洞山をTRANGO ALP EVOで歩いていて数メートル滑落しました。
同行ガイドからは事前に
 「アプローチシューズを買ったら良い」
と言われていたのですが、その時はまだTRANGO ALP EVO信奉者でした。

帰宅してからはTRANGO ALP EVOで歩くのが怖くなり、すぐにアプローチシューズを買いました。

すごく良いです。これを履いて穂高も大キレットも、裏劔も行ってきました。足の裏が疲れることもなく、怖いもの知らずの靴です。

いや、一点だけ欠点があります。ゴアテックスを使っているのですが、雨の時はものすごく浸みてきます。南アルプスの激しい雨で靴がズボズボになりました。

ただし、濡れても水はけが良いのであればそれで良い、という考え方もあります。その意味では、水はけはあまり良くありません。


クライミングシューズ


FiveTen Rogue VCS(ローグベルクロ)

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定価:15,000円
購入時期:2016年

外履き用(ゲレンデ)と内履き用(ジム)に2足持ってます。
ベルクロはしっかりと締めるべきですね。


番外編

日進ゴム HyperV #2000
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定価:5,400円
購入時期:2016年8月

沢登りを始めるために買いました。モンベルやキャラバンから専用の靴が出ていますが、値段が高いし沢登りを続けるか分からないので「安くて滑らない」で定評のあるこの靴を選びました。

この靴で槍ヶ岳に行ってしまう人もいます。

クマ避けスプレー [用品]

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岩木山(青森県)に行くにあたり、初めてクマ避けのスプレーを購入しました。東北の山っていうと、いかにもクマが出そうな感じがします。2016年には秋田県で立て続けにクマによる被害が発生、被害者の多くがタケノコ(根曲り竹)を取りにきた地元の人たちでした。

で、近所の用品店で購入しました。高いんですよ、これが。10,700円しました。頻繁に使うものでもないから、保険代と思えばこんなものかな。

購入時には氏名・住所を記入し、身分証明書で確認を取られます。街中などで催涙スプレーを噴射する輩がいるので、警察から求められるそうです。

さて、スプレーはザックの中に入れておいても意味がないので、すぐに取り出せるところに身につけておきます。専用のホルスターも販売されていますが、ショップの親父さんが「あんな高いホルスターなんていらないよ。ドリンクホルダーでいいんだよ」と勧めてくれたので、使わずに持っていたペットボトルのホルダーで代用しました。

これでザックのショルダーベルトに取り付けることができました。こんな感じ。

PB023410.jpg

右利きのビール隊長は、手にしやすいように左側のベルトに装着しています。

このスプレーですが、写真を見てみなさんはこのボトルをどのように持つでしょうか?私は最初、ピストルを持つ要領で、ボトルを右手で握りしめ人差し指をボトル上部の輪っかに差し込んでみました。

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しか〜し、これだと大変な悲劇に逢うのであります。なんと、スプレーは勢いよく自分めがけて噴射されてしまうのです。

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あっ、私はそんな目にあいませんよ、事前に説明書を念入りに読んでますから。

正しい持ち方はこちらです。

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安定感はないし、ラベルの正面は反対側を向いてしまっているしで、これで本当に良いの?って感じです。

運悪く熊に遭遇してしまった時に、こいつを円滑にホルダーから抜いてピシャーッとタイミングよく吹きかけるには、身体に覚えこませる必要がありそうです。

使用にあたっては、もう一つ関門があります。セーフティロックを外さないといけないんですね。

PA273326.jpg

クマと遭遇したら瞬間的に、

①ホルスターからスプレーを抜き、正しく持つ(正しく持って抜く)
②セーフティロックを外す
③クマを噴射できる距離まで引き寄せる
④噴射する!

ということができるのでしょうか。

最近は、山を歩きながら①を練習しています。そんな怪しい奴を見かけたら、それはビール隊長です。


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ロープを買っちゃいました! [用品]

BEAL(べアール)の9.4mmX50m(直径9.4mm、長さ50mの意)の
スティンガーです。

スペックは以下の通りです。

衝撃荷重     8.2kN(1本、落下係数1.77、80kg)   
耐墜落回数    6(1本、落下係数1.77、80kg)   
重量   59g/m


IMG_5732.jpg

これまでも補助ロープを2本持っていました。
(BEALのRANDO、8mmX30m、8mmX20m)
普段の山行の非常用や、岩場を歩くときのコンテで使用しています。

今回はトップロープのクライミング用に、シングルロープを購入しました。

1月末にゲレンデで使ってみる予定です。


【べアール社】

ロープメーカーはべアールのほか、マムート、エーデルワイス、エーデルリッド
などがあります。
実はエーデルワイスはべアールの関連会社です。

べアールはBéalと書きます。
フランス人の名前なので「ビール」(!)ではなく「べアール」と読みます。

ビール隊長が出没する用品店では、店頭在庫はべアールしかないようです。

べアール社について、少し調べてみました。

・会社の所在地はフランス南東のイゼール県

・1950年にべアール夫妻が設立
 当初は靴ヒモのメーカーでだったが、1970年代半ばからロープ製造に進出

・1999年にオーストリアのエーデルワイス社を吸収
 現在は、仏サン・シャモンで両社製品を製造しています

 DSC00314.jpg

 べアール社のオフィシャル動画
 

山で使うカメラ [用品]

山に携帯するカメラとして、以前はソニーのα5000を使っていました。

α5000.jpg

ミラーレスで、使い回しの良いカメラでした。

購入当初は、ポシェットに収納してザックに取り付けることを考えました。

しかしポシェットに入れるにしては図体がでかいこと、
そして山を歩きながら撮影スポットを目にしたら瞬時に撮影したいことから、
首からたすき掛けにして持ち運ぶこととなりました。

雨が降ってきたら、レンズを下向きにして脇で挟み保護していました。

そんな使い方をして1年ほど経ったとき、撮影した写真を見ると
滲んだシミのようなものが映り込んでいるのに気がつきました。

レンズにゴミでもついているのかな?と思い吹いてみましたが、改善しません。

購入した○ドバシカメラに持ち込むと、
 「本体側にゴミが入っているのでは?」
とのことで、レンズを外してブロアーで掃除してくれました。
それでも良くならないので、ソニーショップで診てもらうことになりました。

銀座のソニーショップにカメラを預け、後日、見積もりが出てきました。

なんと、修理代が 約5万円! だというのです。

「そんなはずはない!」
と思い確認してみると、本体の基板の腐食、ならびにレンズの自動フォーカス機能が
劣化していて全交換が必要だとのことでした。

基板の腐食は、カメラ本体の上部にあるアクセサリーシューから雨水が侵入したもの、
レンズの劣化は回転部分から微小な砂などが入り込んだことによるもの、
と推測されました。

そこで購入したのが、オリンパスの STYLUS TG-870 Toughです。

tough.jpg

山では、持っている人をよく見かけます。

エベレスト登頂時に三浦雄一郎遠征隊も 携帯したというぐらいなので、
暑かろうが寒かろうが電池が放電することもなく快調です。
雨に濡れても、今のところ問題は発生していません。

50cmほどのヒモを通し、肩からたすき掛けにしています。
クライミング時には、そのままハーネスのギアラックに押し込んで固定しています。
(ギアラックに直接かけて、傷だらけにして使っている人を見たこともあります)

しかし、どんな製品にも欠点はあるのですね。

次のような不満があります。

・シャッターが押しづらい

 シャッターボタンが小さい上に、突起していません。
 指先を押し込んで撮影するイメージです。
 大きな手袋をする冬の時期には、すごく操作しにくいです。
 「撮ったぞ〜!」と思ったら、撮れていなかったことが何回あったことか。

・レンズカバーがない。

 レンズは取り外しができない形状ですが、せめてはめ込み型のカバーが欲しいところです。
 雨が降ってくると濡れるに任せるしかありません。
 もちろん、誤ってレンズに触って汚すこともあります。

・レンズが本体の中央に位置していない。

 撮影時、カメラを持つ手の指先が入り込んでしまうことがよくあります。
 特に大きな手袋をする冬の時期は、よく発生します。
 なぜか、レンズから遠い右手も入り込むことがあります。
 レンズは、やはり中央部がよろしいようで。

・充電プラグが独自形状である。

 旅先で充電しようと手元にある充電器で試してみたらはまらない。
 大型店に駆け込んでみたものの、在庫はなく取り寄せとのこと。
 どうもコンデジの世界は、この手の規格が標準化されていないようです。

・充電時に側面カバーを開けて、充電プラグを差し込まないといけない。
 側面カバーを開けるにはロックを2つ外す必要があり面倒臭いのです。
 でも、充電ソケットを露出させておくと、そこから水が侵入しますよね・・・。

・モードダイヤルが操作しづらい。

 撮影モードを切り替えるダイヤルがあるのですが、
 半径が小さい上に回転が固めで回しにくい。
 雨や汗で濡れていると、なおさら操作しづらい。


シャッターの大きさとレンズについての不満2点は、かなり致命的です。

と思いながらも、ベターな製品がないので、STYLUSを持ち出す日々です。


靴はジャストフィットで [用品]

先週末、八ヶ岳に行って思ったのが、「自分の冬靴がでか〜い!」でした。
一昨年の暮れに「○○山荘」で購入したのですが、サイズが大きいのです。
歩いていると、踵がプカプカと浮いて仕方ありません。

冬靴って作りが固いので、靴ひもをきつく締めても限界があります。

サイズが大きいと何が起きるか。

アイゼンをつけて雪の少ない岩場や石の上を歩くと、足をとられて捻挫しやすい。
捻挫しなくても足首ごともっていかれると靴の中で足が動き、靴ひもが緩んでいきます。
その結果、ますます踵が浮いてくるという悪循環になります。

「きっとインソールを交換すればフィットするだろう!」
そう思って、用品店に向かいました。

しか〜し、靴のサイズが大きすぎてインソールでは対処不能。
45というサイズだったのですが、44ないしは43が適正サイズだったのです。

で、結局、新しいのを購入してしまいました。
イタリアのケイランド社(Kayland)のSuper Ice Evoです。

1110021_220.jpg

今まで履いていたSCARPA社のMont Blancと比べると、全体に幅がスリムで、踵も小さめです。
冬山に行くとMont Blancばかりなので、赤いSuper Ice Evoは目立ちそうです。

ところで冬靴って、値段が高いですよね。
Super Ice Evoも定価は61,000円(税抜)です。

靴を購入するときは、いつも同じお店を利用しています。
今日も店員さんが(少し愛想がないけど)詳しく説明してくれました。

そこに名物の店員Kさんがいたので、挨拶をしました。
お店に来るたびに挨拶をさせてもらっています。

靴をレジに預けて買い物を続けた後、精算をしました。
帰り際、Kさんに「お世話になりました」と声をかけると、

「ちょっと待て!」

「えっ?」
「もう会計したの?」
「はい」
「会計のときは、俺に一声かけろと(レジに)言っておいたのにな(ブツブツ)」
「・・・」

そのままレジに連れていかれ、先の会計を一回リセットされました。
そしてKさん自ら電卓を片手に一品ずつ「○○円」「〇〇円」と入力させながら、
再度精算となりました。

その結果、先ほどよりさらに6%安くなっていました。
今はセール期間中にもかかわらず、さらに値引いていただいたのです。

それにしても、電卓片手に店員さんに値引額を指示する鮮やかなお手並みに感動してしまいました。

人との縁の大切さを実感した年末でした。

Kさん、少し遅いプレゼントをありがとうございました!

登山靴のソールが擦り減っていた! [用品]

初稿:2015.8.22
追記:2017.12.28

神保町の石井スポーツ本店に行って、登山靴を新調しました。

履いていて足の指が痛くなるので、もう少し合うサイズがあるのではないかと思ったのです。

店員さんは当初、

 ・靴は足のサイズに合っている
 ・私の足幅は極端に広いわけではない
 ・スポルティバはかなり広めの作りである

とのことで「インソール(中敷き)を少し削ることで対応が可能」でした。

しかし私が持参した靴を見て、ソールが相当擦り減っていることを指摘されました。確かに新品と比べるとその差は圧倒的に違いました。

「これでは前穂高に行けないよ」

ガ〜ン!

今年だけで60日近く、ガツガツと登ったからな・・・。

ということで、今回買ったのはスポルティバ(LA SPORTIVA)の
「TRANGO ALP EVO GORE-TEX[レジスタードトレードマーク]」(トランゴ アルプ エボ)
です。

ジャ〜ン!
TRANGOALPEVOGTX_gy.jpg

そしてこちらはご苦労さま、1年間お世話になった同じくスポルティバの
「TRANGO S EVO GORE-TEX[レジスタードトレードマーク]」(トランゴ S エボ)
です。
TRANGOSEVO_ye.jpg

傷んだラバーバンドと擦り減ったソールを交換してもらいます。


【補足】

ソール交換は1万円以上の費用と、1ヶ月程度の期間を要します。

交換すれば履けるはずですので、この機会に新しい靴を購入して回し履きをすると靴のもちも良くなります。


(追記:2017.12.28)

アプローチシューズで山に行くことが増え、ここで紹介したTRANGO ALP EVO GORE-TEXを履く機会はそんなにありませんでした。しかしさすがにソールが擦り減ったので、張り替えに持ち込んだのが11月下旬のことです。

そこで店員さんから、驚くべきことを聞かされました。靴の修理はショップからメーカーに回されるのですが、ソールの在庫が国内になく取り寄せになるため、修理に3ヶ月ほど要するというのです。

船便を使ってもそんなにかからないのでは・・・。(汗)
しかし他に選択肢がないため3ヶ月待つことにしました。冬シーズンも始まることだし。

ところが年末のある日、ショップから電話がかかってきました。

「ソールの取り寄せがいつになるか分かりません。1月入荷分には入っていないことが分かりました。次回は3月入荷ですが、それにも入ってくるか分かりません。」

「ついてはメーカーから、ソール張り替えをお待ちいただく期間に、代用品提供の提案がありますが、いかがされますか?」

どうせなら新しい代用品をそのままくれたほうが良いんだけどな。
気が利くような利かないような・・・。

ソール張り替えには時間を要するので、お気をつけあれ!

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