雪崩講習(ベーシック・セイフティキャンプ) [訓練]
2020.1.18〜1.19
1泊2日の雪崩講習、「ベーシック・セイフティキャンプ」(主催:日本雪崩ネットワーク)に参加してきました。
本講習は雪崩や弱層の種類、雪崩地形、リスクマネジメントを座学、ディスカッション、実習により学びます。
2日間という限られた時間なので、事前に「雪崩リスク軽減の手引き」(東京新聞)を読んでおくことが推奨されています。
雪崩のリスクマネジントが必要になるのは山スキーですが、白馬会場のみは登山者も参加できます。
<初日>
・講義(@ウィング21)
・実技
屋外に出てビーコンの使用方法と簡単な探索を行う
・ディスカッション(@ウィング21)
<2日目>
・実習(@栂池高原スキー場)
ゴンドラリフトで上まで行き、そこからスノーシューで歩く
・講習(@ウィング21)
座学会場となるのは、白馬村ウィング21です。後ろには八方尾根スキー場が控えます。
1998年の長野オリンピックに合わせて建設された施設だから20年ちょっとですが、外壁は結構傷んでいます。
このウィング21は自動車では県道から施設とは反対の右方向に入って地下トンネルで県道をくぐって向かいますが、白馬駅から歩いていく場合は廃業したガソリンスタンドのところから左に入って田んぼ沿いに行くことができます。
講習参加にあたり、事前に「雪崩リスク低減の手引き」(東京新聞)を2回読んできました。
実地体験がないと、この本を読むのは拷問に近い(笑)。
でも、そのおかげで講習に出てくる用語は頭に入っていました。
雪崩発生の可能性を判断する(雪崩ハザード評価)には、「直接証拠」「積雪データ」「気象データ」の3要素が大切です。
直接証拠では、すでに雪崩が発生した形跡や、視覚や聴覚で得られる雪崩の気配を集めます。
積雪データは文字通りです。ピットテストから得られる情報は、積雪データの一部です。
気象データは山に入る当日だけでなく、それ以前のものも集めます。例えば1週間前に気温が上がり降水があれば、積雪の中に融解凍結層が隠れている可能性があります。積雪にどのような弱層の可能性があるのか、過去の気象データから推測することが可能になります。
雪崩は「雪崩地形」「不安定な積雪」「人と施設」の3要素が同時に満たされなければ発生しません。
雪崩の発生しそうな地形を避けること、雪質に合った行動を取ること、リスクを軽減する行動を取ることが欠かせません。
<ピットテスト>
積雪データを得るには、調べたい斜面を120cm×120cmの面積で、調べたい深さだけ掘ってピットテストを行います。
ちなみに地面まで掘るテストは「フルテスト」と言います。
日陰側を観察面とします。
日の当たる面だと、掘った後からも日射で雪質が変化する可能性があります。
こちらはみんなで拳や指を指して、積雪の硬さを確認した痕跡です。
ちなみに積雪断面の硬度は、拳(Fist)が入るとか「F」、4本指(Finger)が入ると「4F」などと、表記法が決められています。
スコップの上に積雪を乗せて、下から叩く「バープテスト」。
こちらはコンプレッションテスト。
<リーダーシップ・フォロワーシップ>
リーダーは雪崩地形を確認しながら、走路を横切るときには1人ずつ歩かせるなど気を使います。
リーダーは独裁者ではなく、メンバーの意見を取り入れながらグループの行動判断を行います。
仕事と同じですね。
1年先のレベルアップを目指して、今年はベーシックコースを受講しました。
参加して思ったのは、やはりステップを踏んで正解だったということです。
バックカントリーをやらない一般的な雪山登山者としては、雪に対する理解度が不足しています。
今回の講習で得られたものを、これから雪山に入りながら自分のものにする経験を積んでいくことがもっとも大切です。
なお、講習は「雪崩ハザード判断」に加えて「雪崩発生時の捜索と救助」も行いました。緊迫感に満ちた実地訓練で有意義でした。
<補足>
この講習では白馬町の施設(ウィング21)とスキー場(栂池高原スキー場)を往復するので、移動手段としてクルマが必要です。
集合場所は初日はウィング21、2日目は栂池高原スキー場のゴンドラ乗り場。解散場所は両日ともにウィング21でした。
私は東京から深夜バスで白馬町まで向かい、ウィング21までは歩きました。2日目の集合に備えて宿はスキー場近くにとりました。
ウィング21とスキー場の往復は、講習で偶然再会した知り合いに同乗させてもらいました。ほとんどの受講生は車できているので、頭を下げて乗せてもらうのが良いと思います。
登山者の参加は白馬会場のみで、そのほかの会場開催はBCスキー/スノーボードの参加者です。
今回は24名参加で、登山者は5名でした。2日目の実技は登山者班を含めた4班構成で行動しました。
講習に必要なものは、プローブ、スコップ、ビーコン、スノーシュー、冬用装備(ウェア、グローブ、帽子、サングラスなど)です。アイゼン、ピッケルは不要でした。
1泊2日の雪崩講習、「ベーシック・セイフティキャンプ」(主催:日本雪崩ネットワーク)に参加してきました。
本講習は雪崩や弱層の種類、雪崩地形、リスクマネジメントを座学、ディスカッション、実習により学びます。
2日間という限られた時間なので、事前に「雪崩リスク軽減の手引き」(東京新聞)を読んでおくことが推奨されています。
雪崩のリスクマネジントが必要になるのは山スキーですが、白馬会場のみは登山者も参加できます。
スケジュール
<初日>
・講義(@ウィング21)
・実技
屋外に出てビーコンの使用方法と簡単な探索を行う
・ディスカッション(@ウィング21)
<2日目>
・実習(@栂池高原スキー場)
ゴンドラリフトで上まで行き、そこからスノーシューで歩く
・講習(@ウィング21)
会場
座学会場となるのは、白馬村ウィング21です。後ろには八方尾根スキー場が控えます。
1998年の長野オリンピックに合わせて建設された施設だから20年ちょっとですが、外壁は結構傷んでいます。
このウィング21は自動車では県道から施設とは反対の右方向に入って地下トンネルで県道をくぐって向かいますが、白馬駅から歩いていく場合は廃業したガソリンスタンドのところから左に入って田んぼ沿いに行くことができます。
講義・ディスカッション
講習参加にあたり、事前に「雪崩リスク低減の手引き」(東京新聞)を2回読んできました。
実地体験がないと、この本を読むのは拷問に近い(笑)。
でも、そのおかげで講習に出てくる用語は頭に入っていました。
雪崩発生の可能性を判断する(雪崩ハザード評価)には、「直接証拠」「積雪データ」「気象データ」の3要素が大切です。
直接証拠では、すでに雪崩が発生した形跡や、視覚や聴覚で得られる雪崩の気配を集めます。
積雪データは文字通りです。ピットテストから得られる情報は、積雪データの一部です。
気象データは山に入る当日だけでなく、それ以前のものも集めます。例えば1週間前に気温が上がり降水があれば、積雪の中に融解凍結層が隠れている可能性があります。積雪にどのような弱層の可能性があるのか、過去の気象データから推測することが可能になります。
雪崩は「雪崩地形」「不安定な積雪」「人と施設」の3要素が同時に満たされなければ発生しません。
雪崩の発生しそうな地形を避けること、雪質に合った行動を取ること、リスクを軽減する行動を取ることが欠かせません。
実習
<ピットテスト>
積雪データを得るには、調べたい斜面を120cm×120cmの面積で、調べたい深さだけ掘ってピットテストを行います。
ちなみに地面まで掘るテストは「フルテスト」と言います。
日陰側を観察面とします。
日の当たる面だと、掘った後からも日射で雪質が変化する可能性があります。
こちらはみんなで拳や指を指して、積雪の硬さを確認した痕跡です。
ちなみに積雪断面の硬度は、拳(Fist)が入るとか「F」、4本指(Finger)が入ると「4F」などと、表記法が決められています。
スコップの上に積雪を乗せて、下から叩く「バープテスト」。
こちらはコンプレッションテスト。
<リーダーシップ・フォロワーシップ>
リーダーは雪崩地形を確認しながら、走路を横切るときには1人ずつ歩かせるなど気を使います。
リーダーは独裁者ではなく、メンバーの意見を取り入れながらグループの行動判断を行います。
仕事と同じですね。
感想
1年先のレベルアップを目指して、今年はベーシックコースを受講しました。
参加して思ったのは、やはりステップを踏んで正解だったということです。
バックカントリーをやらない一般的な雪山登山者としては、雪に対する理解度が不足しています。
今回の講習で得られたものを、これから雪山に入りながら自分のものにする経験を積んでいくことがもっとも大切です。
なお、講習は「雪崩ハザード判断」に加えて「雪崩発生時の捜索と救助」も行いました。緊迫感に満ちた実地訓練で有意義でした。
<補足>
この講習では白馬町の施設(ウィング21)とスキー場(栂池高原スキー場)を往復するので、移動手段としてクルマが必要です。
集合場所は初日はウィング21、2日目は栂池高原スキー場のゴンドラ乗り場。解散場所は両日ともにウィング21でした。
私は東京から深夜バスで白馬町まで向かい、ウィング21までは歩きました。2日目の集合に備えて宿はスキー場近くにとりました。
ウィング21とスキー場の往復は、講習で偶然再会した知り合いに同乗させてもらいました。ほとんどの受講生は車できているので、頭を下げて乗せてもらうのが良いと思います。
登山者の参加は白馬会場のみで、そのほかの会場開催はBCスキー/スノーボードの参加者です。
今回は24名参加で、登山者は5名でした。2日目の実技は登山者班を含めた4班構成で行動しました。
講習に必要なものは、プローブ、スコップ、ビーコン、スノーシュー、冬用装備(ウェア、グローブ、帽子、サングラスなど)です。アイゼン、ピッケルは不要でした。
2020-01-24 09:22
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