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雪崩講習(ベーシック・セイフティキャンプ) [訓練]

2020.1.18〜1.19

1泊2日の雪崩講習、「ベーシック・セイフティキャンプ」(主催:日本雪崩ネットワーク)に参加してきました。

本講習は雪崩や弱層の種類、雪崩地形、リスクマネジメントを座学、ディスカッション、実習により学びます。

2日間という限られた時間なので、事前に「雪崩リスク軽減の手引き」(東京新聞)を読んでおくことが推奨されています。

雪崩のリスクマネジントが必要になるのは山スキーですが、白馬会場のみは登山者も参加できます。


スケジュール

<初日>
・講義(@ウィング21)
・実技
屋外に出てビーコンの使用方法と簡単な探索を行う
・ディスカッション(@ウィング21)

<2日目>
・実習(@栂池高原スキー場)
ゴンドラリフトで上まで行き、そこからスノーシューで歩く
・講習(@ウィング21)


会場

座学会場となるのは、白馬村ウィング21です。後ろには八方尾根スキー場が控えます。
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1998年の長野オリンピックに合わせて建設された施設だから20年ちょっとですが、外壁は結構傷んでいます。
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このウィング21は自動車では県道から施設とは反対の右方向に入って地下トンネルで県道をくぐって向かいますが、白馬駅から歩いていく場合は廃業したガソリンスタンドのところから左に入って田んぼ沿いに行くことができます。


講義・ディスカッション

講習参加にあたり、事前に「雪崩リスク低減の手引き」(東京新聞)を2回読んできました。
実地体験がないと、この本を読むのは拷問に近い(笑)。

でも、そのおかげで講習に出てくる用語は頭に入っていました。
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雪崩発生の可能性を判断する(雪崩ハザード評価)には、「直接証拠」「積雪データ」「気象データ」の3要素が大切です。
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直接証拠では、すでに雪崩が発生した形跡や、視覚や聴覚で得られる雪崩の気配を集めます。

積雪データは文字通りです。ピットテストから得られる情報は、積雪データの一部です。

気象データは山に入る当日だけでなく、それ以前のものも集めます。例えば1週間前に気温が上がり降水があれば、積雪の中に融解凍結層が隠れている可能性があります。積雪にどのような弱層の可能性があるのか、過去の気象データから推測することが可能になります。

雪崩は「雪崩地形」「不安定な積雪」「人と施設」の3要素が同時に満たされなければ発生しません。
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雪崩の発生しそうな地形を避けること、雪質に合った行動を取ること、リスクを軽減する行動を取ることが欠かせません。


実習

<ピットテスト>

積雪データを得るには、調べたい斜面を120cm×120cmの面積で、調べたい深さだけ掘ってピットテストを行います。
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ちなみに地面まで掘るテストは「フルテスト」と言います。

日陰側を観察面とします。
日の当たる面だと、掘った後からも日射で雪質が変化する可能性があります。
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こちらはみんなで拳や指を指して、積雪の硬さを確認した痕跡です。
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ちなみに積雪断面の硬度は、拳(Fist)が入るとか「F」、4本指(Finger)が入ると「4F」などと、表記法が決められています。

スコップの上に積雪を乗せて、下から叩く「バープテスト」。
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こちらはコンプレッションテスト。
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<リーダーシップ・フォロワーシップ>

リーダーは雪崩地形を確認しながら、走路を横切るときには1人ずつ歩かせるなど気を使います。
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リーダーは独裁者ではなく、メンバーの意見を取り入れながらグループの行動判断を行います。
仕事と同じですね。


感想


1年先のレベルアップを目指して、今年はベーシックコースを受講しました。
参加して思ったのは、やはりステップを踏んで正解だったということです。

バックカントリーをやらない一般的な雪山登山者としては、雪に対する理解度が不足しています。
今回の講習で得られたものを、これから雪山に入りながら自分のものにする経験を積んでいくことがもっとも大切です。

なお、講習は「雪崩ハザード判断」に加えて「雪崩発生時の捜索と救助」も行いました。緊迫感に満ちた実地訓練で有意義でした。

<補足>
この講習では白馬町の施設(ウィング21)とスキー場(栂池高原スキー場)を往復するので、移動手段としてクルマが必要です。

集合場所は初日はウィング21、2日目は栂池高原スキー場のゴンドラ乗り場。解散場所は両日ともにウィング21でした。

私は東京から深夜バスで白馬町まで向かい、ウィング21までは歩きました。2日目の集合に備えて宿はスキー場近くにとりました。

ウィング21とスキー場の往復は、講習で偶然再会した知り合いに同乗させてもらいました。ほとんどの受講生は車できているので、頭を下げて乗せてもらうのが良いと思います。

登山者の参加は白馬会場のみで、そのほかの会場開催はBCスキー/スノーボードの参加者です。
今回は24名参加で、登山者は5名でした。2日目の実技は登山者班を含めた4班構成で行動しました。

講習に必要なものは、プローブ、スコップ、ビーコン、スノーシュー、冬用装備(ウェア、グローブ、帽子、サングラスなど)です。アイゼン、ピッケルは不要でした。


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雪上訓練(富士山) [訓練]

2017.1.7(土)〜8(日)

富士山では今シーズンに入り、立て続けに滑落事故が発生しています。

天気の良い日が多く、雪山に入る登山者が多かったことが
一因としてあげられています。

さて、ビール隊長は冬はおろか、夏にも富士山に登ったことはありません。

「あれは登る山ではなくて、見る山さ」

とうそぶいて来ました。

今回は雪上訓練なので5合目どまりです。
調べてみると、この辺りまでは車でも行けるそうではないですか(良かった〜!)。

滑落することはなさそうですが、初めての富士山、それも冬。
不安を感じながら出かけました。

※写真では無雪状態ですが、下山途中から雪が降り始めました。
 麓の河口湖町でもひと晩で43cm積もったそうなので、十分な注意が必要です。



行程


1泊2日の行程です。

富士急行の富士山駅(旧 富士吉田駅)で集合。
自家用車で馬返しまで向かい、ここから吉田口登山道を歩き始めます。
佐藤小屋に着いたら初日の行程は終了。

2日目は昼過ぎから天気の崩れが予想されるため、早めに雪上訓練を開始。
正午前後にピストンで馬返しまで降りる予定です。



記録


■初日(馬返〜佐藤小屋)

馬返しの駐車場。
この時点で、雪はまったくありません。
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夏には仮設トイレがあるそうですが、この時期には撤去されていました。

【13:13】
登山計画書の提出ボックスがあるので、登山の始まりはここから。
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【13:23】
厚着をしている人たちは、この後で早々に衣服調節をしていました。
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【13:36】
サーマレストを持っている人は、もの好きなことにテント泊です。
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【14:04】
道のど真ん中にあるこの窪みは、いったい何でしょうか?
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調べてみました。
これは「浸透桝」と言って、雨水や春の雪解け水を地下に流し込むための
ものだそうです。

これがないと登山道が洗掘されてしまうのでしょう。

【14:38】
三合目 見晴茶屋跡
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この先も五合目までは多くの山小屋がありますが、全て廃墟となっています。
そんな姿を見ると寂しさを感じます。

【15:14】
五合目焼印所
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焼印所?
焼印って、あの金剛杖にジュッと焼き付ける印のことですか。
この小屋もだいぶ昔に閉鎖された雰囲気です。

眺めは良いです。
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【15:31】
焼印所の先の道が、ものすごく凍っていました。
35年間、冬の富士山に通っているというリーダーも、
ここでこんなのは初めて見たと言っていました。
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アイゼンを出すのは面倒なので、登山道を避けて歩きました。

【16:12】
佐藤小屋が見えてきました。
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■二日目(佐藤小屋〜雪上訓練〜馬返)

佐藤小屋周辺は雪がまったくないので、富士精進線沿いに30分ほど歩いて
スバルライン五合目の手前まで来ました。

ここの斜面にはそれなりに雪がついていますが、少し凍っています。

【08:13】
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【08:49】
雪上でショートロープとコンテの練習をします。
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3年前、初めての雪上訓練では他のパーティがロープを使っているのを見て、
「すごいことやってる!」
と思ったものです。

【09:10】
滑落停止訓練。
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雪面がかなり凍っており、腰を下ろしただけで滑り出して加速していきます。
危険なので灌木でセルフビレイを取り、滑落者をハーフマストで確保します。

【09:56】
ダイナミックビレイを用いた制動の練習。
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灌木などでナチュラルプロテクションが取れない高度では、
ピッケルを雪に打ち込みます。

ピッケルからスリングを靴の幅1足分だけ、ヒゲを出します。
そこにカラビナを取り付け、スリングをアイゼンで傷つけないように注意して
踏みつけます。

あとはロープをカラビナに通して肩がらみをするだけです。

ロープを引っ張ることなく、システム全体の摩擦力で滑らかに制動を
効かせることができます。

五合目の背後に八ヶ岳が見えます。
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【10:31】
2,000mぐらいの高度のところに雲が出てきました。
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【11:18】
正午あたりから天気が崩れるので、雪上訓練を切り上げて小屋に戻ります。
途中、泉ヶ滝で練習にちょうど良いボルダー(岩)と氷があったので、
寄って行きます。
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これぐらいの傾斜なら楽しいんだけどね。
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ぼちぼち雪が降ってきました。

【13:57】
浸透桝にも雪が積もり始めました。
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【14:07】
馬返しの駐車場に戻ってくる頃には、10cmの積雪になっていました。
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佐藤小屋


①外観

奥には警察関係車両。
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連日の事故のせいでしょう。
小屋内には救助隊の人がいて、住所・氏名・生年月日を聞かれました。


②受付

小屋関係の方がテレビとこたつで寛ぐ脇を通って靴をしまい、
奥の寝床へと向かいます。
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③館内

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ビールも発泡酒も同じ500円でした。
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マムートのヘルメットが完備。
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④広間・寝床

かいこ棚です。
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ザックを置くスペースがほとんどありません。

寝袋と毛布が用意されています。
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夜間は廊下の照明がついています。
小屋の外も照明がついているので、就寝中のトイレにもヘッドランプは不要です。


⑤食事

夕食は豆乳鍋、汁は薄めで食べやすいです。
具材や汁がなくなってきたら、いくらでも補充してくれます。
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最後はとき卵をジャーッと流し込んで、おじやにしていただきます。
当然、ご飯のお代わりも自由です。
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朝食は朝からうどん鍋です。
昨晩の鍋の後遺症から立ち直れないのに・・・って思ったのも最初だけ。
みんなでうどんのお代わりを催促していました。
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⑥トイレ

富士山の山小屋のトイレは汚くて臭いという印象を持っていました。
少なくともここは違います。

まず暖房が効いていて暖かい!
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しかも無臭!
ネポンという会社の泡洗式簡易水洗トイレだそうです。
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「便座はヒヤッとするんだろうな」と恐々と腰掛けたら、これも温かいです!
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感激しました!

●データ

【評価】 ※各項目とも5点満点評価。

 快適さ  ☆☆☆☆
 食事   ☆☆☆☆☆
 トイレ  ☆☆☆☆
 スタッフ ☆☆☆
 総合   ☆☆☆☆



ビール隊長の今日の一杯


富士山駅前Q-STA地下1階のフードコート。
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ここはオーバーウェアを脱いで荷物整理をするのに便利なスペースがあります。



後記


・12時から降り始めた雪は下山時には10cmほど積もっていました。
 その後、河口湖町では未明までに43cmも積もったそうです。
 1月としては84年ぶりの大雪だったとのこと。南岸低気圧、恐るべし。

 我々の下山時にAE社のツアー一行が佐藤小屋に向かって行きました。
 彼らは翌日、下山できたのでしょうか。

・これまでに数多くの山小屋に泊まりましたが、佐藤小屋はとても良い小屋です。
 食事は美味しいし、トイレも暖かくて清潔。
 (よく考えてみればここまで道路が通じているんですよね)

 5代目の若社長にその感動を伝えたら、喜んでいました。
 「冬しか来ないお客さんもおられるんですよ」
 リーダーは「俺も冬しか来ない」だって。

・二日目、雪上訓練を終えて佐藤小屋まで下りてきて休憩をしていたところ、
 中高年3人組が下山してきました。

 この人たち、なんと九合目まで行ってきたそうです。
 「風もなく、雪はしまっていて歩きやすかった」
 と話していました。

 とは言え、この後に大雪になったわけですから、
 一瞬の間隙を縫って行ってきたということになります。

 我々が訓練をしていたところでさえ、足を踏み外したら止まらない氷雪面。
 危険行為であることは間違いありません。



データ


 ▼コースタイム 

 初日: 3時間1分
 馬返(13:13)〜<23分>〜(13:36)一合目(13:36)〜<29分>〜(14:05)二合目(14:05)〜<33分>〜(14:38)三合目(14:43)〜<31分>〜(15:14)五合目焼印所(井上小屋跡)(15:24)〜<50分>〜(16:14)佐藤小屋

 2日目: 1時間52分
 佐藤小屋(12:15)〜<28分>〜(12:43)五合目焼印所(井上小屋跡)(12:43)〜<34分>〜(13:17)三合目(13:17)〜<14分>〜(13:31)二合目(13:31)〜<26分>〜(13:57)一合目(13:57)〜<10分>〜(14:07)馬返


 ▼使用した靴

  Kayland Super Ice Pro


 ▼使用した地図

  「山と高原地図 31 富士山 御坂・愛鷹」


日和田山(クライミング)2 [訓練]

2016.3.20(日)

埼玉県・奥武蔵の日和田山に、クライミング・サークルの練習にゲスト参加で行ってきました。
ビール隊長を含めて参加者は5名でした。

今回は2回目の参加です。
1回目の参加記録はこちら。


■練習内容

①ボルダー
 
 ・足の指の付け根を意識した登り
 ・足で登ることを意識する(手は指一本のみを使う)
 ・トラバース時の足のクロス
 ・足の踏み換え

②男岩

 ・ステミングフェース(西面):トップ→敗退
 ・松の木ハング(西面):トップ→敗退
 ・一般ルート(南面):リード(セカンド、トップ)


■日和田山

「将軍像」、今回はキレイに撮れました。
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駅前にコンビニはありません。
線路を挟んで将軍像とは反対側(日和田山側)に出て右に行くと、SAVE ONがあります。
(写真は駅前のお店です)
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日和田山の岩場は、駅から歩いて30分と利便性の良さです。
その分、近隣の住民の方に迷惑をかけない配慮が必要ですね。
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ボルダー(岩)で、登り方の基本事項を練習します。
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松の木ハング。
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初体験のSさん、本職はとび職とのことですが、スイスイと登っていきます。
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■教わったこと(自分用のメモ)
 ※リーダーによって流儀があるので、唯一の正解ではありません。

 ▼岩を登る時

 ・岩をすぐにしっかりと持たず、ウッと触ってみる
  →石は動く可能性がある

 ・爺様の歩き方に学ぶ
  →ヨイショ、ヨイショと片足ずつで登る

 ・足に乗ってから立つ
  これをレストステップと言う
  手は使わない

 ・軸足の真上にヘソを持ってくる

 ・足は1点で立つ
  指の付け根のいずれかで立つ

 ・右手で取るには、右足で立つ

 ・手は使わない
  指一本で登る練習も効果的

 ・足で体重移動すれば大丈夫

 ・手でホールドするとき、4本指は揃えて、親指を使う


 ▼懸垂下降

 ・エイト環ならロープがドロドロだったり、凍っていても大丈夫
  →ATCだと、そうはいかない

 ・最初に降りたら、ロープを引っ張り、引っ張れることを確認する
  →ロープが動かない場合、回収できない恐れあり
   上の人にロープをずらしてもらう

 ・下に安全に降りれるかを確認する

 ・ロープの確認と、安全確認を完了後に、次の人に「どうぞ!」と声をかける

 ・ロープを持って、下降者が万が一手を離した時のバックアップに備える

 ・上からの落石に注意
  →「ラク」と聞こえたら、最後まで石をよく見て避けること。
    落石の軌跡が途中で変わることもある。


 ▼トップのビレイ
 
 ・クローブヒッチでセルフビレイする
  セルフビレイ、自分、登る人が一直線になるように

 ・上がってくる人に向かう

 ・上がる人のロープが上


 ▼マルチピッチのトップのビレイ

 ・セルフビレイはメインロープでとる
  →ロープは伸びるから安全
   スリングは伸びないので、落下するときにトンカチで叩かれたような衝撃を受ける

 ・マルチのテラスでリードが落ちるのが最悪


 ▼クイックドロー(ヌンチャク)のかけ方

 ・自分から外に向かうように

 ・ロープは自分に向かうように


■ビール隊長の今日の一杯

高麗駅で、プシュッとかんぱ〜い!
次回も頑張ろう!!
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弱点克服 [訓練]

岩登りが苦手です。
それは痛感しています。

だからこそ、クライミングクラブに参加しています。
でも、月1回程度では、上達しませんね。
垂直な岩壁を前にして、思考停止してしまいます。

足を上げろったって、右足も左足も体重がかかっていて、鉛のように重い。
完全にセミと化してしまいます。
ステミングフェースを登れるようになるのは、いつの日のことか。

妙義山では、岩登りができないために、散々苦労しました。
楽しくない山登りならやめようか・・・、とも思ったのですが、
もう少し頑張ってみるか。

そう思い、重い足ならぬ重い腰をあげて、ボルダリングジムに通うことにしました。
ここですゼ。

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ボルダリングって、人気のスポーツになりつつあるんですね。
いわゆる老若男女が集っていました。

上手い人のを見ていると、動きはチンパンジーですね。
腕は曲げずに、低い姿勢で登っていきます。

まだ2回目ですが、あと少しで6級のルートを一つ、落とせそうです。
でも、4級までがビギナーなんですね〜。

岩登りができるようになると縦走も安定してくるので、早く効果を確認したいところです。

それともう一つ。
アプローチシューズを買いました。

ファイブテン(5.19)のCamp4 Mid GTX。
GTXはコアテックスの略です。


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ソールはファイブテンのオリジナルで、スパイク状になっています。


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岩だけでなく、土でも食い込んでよくホールドしてくれます。

これまで靴といえばスポルティバ信者だったビール隊長ですが、視野を広げる時期かも。
しかし高かった〜ぁ!!


座・北アルプス塾(鷹取山) [訓練]

2016.3.6(日)

座・北アルプス塾第4期生の第6回に行ってきました。
今回の参加者は15名でした。

目的地は、クライミング練習のメッカ、神奈川県の鷹取山です。

今回は懸垂下降のみを練習。
久し振りに三島ガイドも前面に出て、懇切丁寧な指導をしてもらえました。


途中、美味しい「北原製パン」があって、みんなで立ち寄ります。
学校の近くにあった昔懐かしのパン屋、といった感じです。
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鷹取山公園までは、追浜駅から歩いて35分ほどです。
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鷹取山は、かつては石切場だったところです。
地元の人が犬の散歩に多数、訪れていました。
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展望台のある岩山は「親不知」と呼ばれ、ここが山頂になります。
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こちらは「子不知」。
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空を見上げると、トンビが飛んでいました。
ハイキングに来た子供たちの昼食を狙っていました。
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広場で、恐る恐る懸垂下降の初体験。
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その次は、子不知の南面で練習します。
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ハーケンの跡が無数、残っています。
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■練習内容
 ・3メートルの岩場での懸垂下降 ×2
 ・10メートルの岩場での懸垂下降 ×1
 ・10メートルの岩場でクライムアップ&クライムダウン ×1


■教訓

①懸垂下降

 ▼勘違いをしない

  以下のような勘違いを起こしがち(今回も発生しました)なので、注意する。

  ・セルフをとったつもりになる
   セルフビレイをかけたつもりでも、かけ忘れていることがある。

  ・他人のセルフを解除してしまう
   他人のセルフビレイのカラビナを、自分のビレイと勘違いして
   解除してしまうことがある。

  ・違うロープをビレイしてしまう
   ビレイするパートナーにつながったロープだと思い、
   他のロープをビレイしようとする。


 ▼セルフビレイ

  ・必ずセルフビレイをとること

  ・ビレイデバイスをロープにかけたら、支点の根本まで戻る

  ・テンションをかけて確認する

  ・テンションを緩める
   その時、右手は動かさない。

  ・「セルフを取ります」と言わないこと
   セルフをかけるのか、解除するのか分からない。
   「セルフをかけます」「セルフを解除します」


 ▼右手のコントロール

  ・右手は絶対に、ロープを離さない

  ・右手は腰に添える
   腰より後方に置くと、手の位置が分からなくなる。
   手を送る原因にもなる。
   腰につけておくこと。

  ・右手でロープを送らないこと、何かの拍子に手を持っていかれる恐れがある
   下降できないと、ロープを送りたくなる。
   下降できないのはロープ径が太いか、
   ビレイデバイスのロープ折り返し角度がきついかのいずれ。
   後者であれば、右手を下におろすして角度を緩めることで対処する。

  ・スピードは右手の上下位置で調節する

  ・右手はロープを握らないが、いつでも握れるように握る直前の状態を保つ

  ・握る手は順手(親指を中にする)


 ▼姿勢

  ・上半身はのけぞらない、イナーバウアーの態勢をとらない

  ・レッグループを感じる

  ・上体を起こす


②クライムダウン

 ・しゃがんだ姿勢で、体をひねって下を見る

 ・一杯一杯のところに足を置かない

 ・後ろを見ようとするあまり、体の軸がずれないようにする
  →ふられる原因になる。


アイスクライミング初体験 [訓練]

2016.2.6(土)〜2.7(日)

アイスクライミングのツアーに参加してきました。
国際山岳ガイドの熊田光治さんの引率です。

アイスクライミングをやると、縦走時のアイゼンの使い方が上手くなるそうです。
今月末に赤岳に登る準備としたいと思います。


■初日

新宿駅7時発のスーパーあずさは満席でした。
茅野駅では多くの登山客が下車しました。
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送迎車を桜平で降り、夏沢鉱泉まで30分ほど歩きます。
雪上車の通った跡が凍り、少し歩きにくかったです。
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夏沢鉱泉から30分ほど歩いて、本日の練習場に到着しました。
八ヶ岳には、こうした滝が凍ってアイスクライミングの練習になる場所がたくさんあるそうです。
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手前と奥で2段になっています。
ガイドの熊田さんがここにロープを張っていきます。
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横から見ると、氷が厚いことが分かります。
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ここの氷は「柔らかい」氷でした。
氷が柔らかいとバイル(注)が刺さりやすく、初心者にとって好都合です。
注)バイルは正式にはアイスバイルと言い、アイスクライミング用のピッケルのことです。

ちなみに、硬い氷はバイルが刺さりにくく、割れやすいそうです。

アイスクライミングではヘルメットが必須です。
これはクライマーよりも、下で見学している人にとってのことです。
バイルを打ち込むと、氷がかけて下にすっ飛んで行きます。
時にはかなり大きな破片が飛び散りますが、これは落石と同じです。

緩やかな斜面では、熊田さんは確保なしで登っていきます。
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スクリューを打ち込んでいます。
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アンカーポイントを複数作り、同時に2名が練習できるようにロープを張ります。
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完成図。
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こんな感じで練習します。
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登り終わると、「テンショ〜ン!」と叫びロワーダウンで降りてきます。

各自2本ずつ登った後、こちらに挑戦です。
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こちらの滝は高さ15メートルほどでしょうか、滑落すると谷まで止まりません。
熊田ガイドはスクリューを打ち込みながら、マルチピッチの要領で自己ビレイを取りながら
ロープを張っていきます。
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この写真を見ると、複数のアンカーポイントがよく分かりますね。
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最上部でロープを固定したら、降下しながらアンカーポイントを撤去していきます。
ビレイポイントが残置されていたら、このように登れないですね。
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こちらは模範演技です。
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自分の順番待ちをしている間は体が冷えます。
上から大きめのダウンジャケットを羽織り、自分が登る直前に脱げるようにしておくと良いです。
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こんな感じで練習をしました。
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ロープ確保なしで失敗すると、ここまで滑落してしまいます。
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夕食。
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猪鍋は美味しかったけど、肉がちょっと固かったな。
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■2日目

本日は歩いて30分ほどの滝(通称、ジーゼロ)に向かいます。

昨日より手前で登山道を外れ、沢を渡ります。
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ラッセルしながら進みます。
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本日の滝に到着しました。
こちらも昨日と同様、先人に荒らされていない氷です。
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早速、熊田ガイドがロープをセッティングしていきます。
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この壁はクリアすることができませんでした。残念!

厳しかった?練習も終わり、引き上げます。
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昼食は夏沢鉱泉でハンバーグランチ。15分ほど待つけど、美味しかったです。
多分、根石岳山荘の夕食もこれだよな。
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■アイスクライミングのコツ

①姿勢

 ・打ち込んだバイルを頂点に、両方の足とともに二等辺三角形を作るイメージ。

②アイスバイルの打ち込み方

 ・脇を締め、肩幅で打ち込む。高さは、肘が少し曲がるくらい。

 ・ガツガツと打ち込まなくて大丈夫。入らなくても同じところを何度もたたく。
  先に登った人がいる場合は、氷に穴が開いているので、そのくぼみを狙って打つ
  (置くだけでもOK)。

 ・バイルのシャフトは湾曲しているので、打ち込めばその末端部分は氷面に
  接するようにできている。 
  ここにはギザギザがあり、氷面で滑らないようになっている。
  バイルを支えようと力を入れる必要はない。

 ・直角な壁では上体を反らし、打ち場を確認する。

③足の蹴り込み

 ・足をガニ股でハの字にしない。正面から真っ直ぐ、かかとを落とし気味にして蹴り込む。

④登り方

 ・足で登ること。手で引き上げない。

⑤ロワーダウン

 ・膝は曲げずに、真っ直ぐに伸ばす。

 ・アイゼンの全ての刃で氷面を触り、歩くような感じで降りる。

⑥氷

 ・柔らかい氷は、バイルが刺さりやすい。逆に、固い氷はバイルが刺さらずに、割れる。

 ・氷の破片は落石と同じ、ヘルメット装着を。


■感想

・岩のクライミングと同じですが、登れないと悔しいです。
 登り方は大きく異なることはないと思いますが、アイスの方がガバが大きいです。

・アイスバイル(アイスアックス)が氷にうまく刺さると、
 素人にもそれと分かる「ズブッ」という鈍い音がします。
 この音が快感でした。

・垂直な壁が続くと、手も足も動かなくなり、進退極まってしまいました。
 手を伸ばして打ち込み、足を上げていけば良いと分かっているのですが・・・。
 岩場で練習を積み、来年再チャレンジしようと思います。
 

■ビール隊長の今日の一杯

あずさから八ヶ岳を見ながら乾杯です!
お疲れさま〜!
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■参考

こちらは海外の説明動画です。
映像は分かりやすい英語ですが、要点は次の通りです。

常に次の3点を意識する。
 ・腰の位置
 ・足の運び
 ・三角形を作る

登り方:
 ①氷に向かい、腰を突き出し肩を後ろに反らす
 ②手をスイングしてバイルを打ち込む
 ③自分の足下が見えるよう、腰を引く
 ④左右の足で片方ずつ登り、同じ高さに揃える
⑤立ち上がり、腰を氷に近寄せる
⑥肩を後ろに反らす
(以下、②に戻る)

④の注意点として、打ち込んだバイルの方向に登ること。
バイルが自分の体の中心に来るよう登ることで、
手(バイル)が頂点で両足が底辺の三角形ができあがる。


日和田山(クライミング) [訓練]

2016.2.14(日)

埼玉県・奥武蔵の日和田山に、クライミング・サークルの練習にゲスト参加で行ってきました。
ビール隊長を含めて参加者は6名でした。


■練習内容

①頂上直下の岩場
 
 ・リードクライミング(シングルピッチ) セカンド×1本
 ・リードクライミング(シングルピッチ) トップ×1本

②男岩

 ・一般ルート(南面): リードクライミング(シングルピッチ) セカンド×2本
 ・西面: トップロープ×3本


■日和田山

朝8時5分に、西武池袋線の高麗駅で待ち合わせです。

駅前には、朝鮮半島の道祖神「将軍像」が建てられています。
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1,300年ほど前、朝鮮から渡ってきた人たちがこの一帯に移り住んだことに
由来しているそうです。

駅からはリーダーの車に乗り、駐車場に向かいます。
桜が一部、開花していました。
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金比羅神社の鳥居をくぐります。
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昨晩から降り続いた雨で岩肌は濡れています。
これから晴れて岩が乾くことを期待し、まずは頂上直下の岩場に向かいます。
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各自、ロープを分担して持ちます。
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リーダーによると、頂上直下の岩場はこのサークルが使い始めたそうです。
最近では他のグループも見かけるようになったとのことです。

ここでシングルピッチの練習をしました。
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下りはエイト環を使った懸垂下降です。
エイト環を使うのは初めてでしたが、コツはATCと同じです。

午後は場所を男岩に移しました。
まずは南面(一般ルート)に挑戦です。

リーダーが「普段なら難しくないよ〜」と言われるのですが、
今日は岩が濡れていて若干苦戦気味です。
ビール隊長もなんとかクリアです。
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西面はトップロープで登ります。下りはロワーダウンです。
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■ロープをほどく

ロープを扱う際、操作性をよくするため「ほどく」「さばく」作業は必ず必要になるので、
基本動作を覚えておきます。

 ・持参してきたロープの結わえてあるところをほどいたら、
  まず、ロープの片端を見失わないように伸ばして脇に置いておく
  (この先端を「ロープの下」という)。
  先端を見失うと、探す時間がもったいない。

 ・次にロープを両手に持ち、右手から左手に送っていく。
  こうしてロープをほどいておくことで、絡まずにロープを引っ張ることができる。

  リードをするときは、ほどき終わったロープの先端
  (先ほど、脇に置いておいたのとは反対側、ロープの上)をハーネスにつなぐ。

 ・以上を「ロープの上と下を作る」という。

左のロープの先端がロープの下になります。
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■スリングとカラビナの取り扱い

カラビナをすぐに取り出すためのコツがあります。

 ・すべてのことを60cmスリングでできるようにしておく。
  ただし、1本だけ120cmスリングを持っていると、応用範囲が広い。
  セルフビレイを取るときや、負傷者を背負うときにも使うことができる。

 ・スリングを1本、左手を通してたすき掛けにする。
  これにカラビナやスリングなどをかけておく。

  予備のスリングや回収したスリングは、逆のたすき掛け(右手を通す)にしておく。
  こうすることで、素早い対応が可能になる。

  ただし、ヤブなどでスリングを引っかけやすいというデメリットがある。
  引っかけると、予期せずして体を後方に持って行かれてしまう。

  このため、ガイドによってはこれを嫌う人もいる。
  そのことを認識した上で、落下するときにはヤブを避けていく。

 ・シングルピッチのようにゆっくりと登ることができるルートでは、
  金物類はハーネスのギアラックに装着しておく。

  しかし、危険なルートでは一刻も早くカラビナを装着したい。
  腰の脇から正面に持ってくる時間がもったいないことがある。
  このような時は、最初から正面のタイインループにカラビナをかけておく。

 ・カラビナをハーネスのギアラックにかける時は、上からかけおろすよりも、
  下からすくってかけるのが良い。
  カラビナを外したとき、自然な流れで腕を下におろして休めることができる。


■リードクライミング(シングルピッチ)

最初に金物(かなもの)類の説明を受けた後、頂上直下の岩場を早速、
シングルピッチのリードクライミングで登っていきます。

リードクライミングの仕組みがどうなっているかも分からず、見よう見まね状態です。

1本目は、Iさん(経験1年)がトップ(クライマー)です。
途中の支点(ハーケン、リングボルト)にクイックドロー(ヌンチャク)をかけ、
ロープを通していきます。
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隊長はセカンド(ビレイヤー)です。セカンドの役割は、下でビレイをすることです。
何もなければ、トップの動きに合わせてロープを繰り出していきます。


2人で上っていくシングルピッチの流れは、次のとおりです。

 ①事前準備をする
 ②トップ(クライマー)が登る
 ③セカンド(ビレイヤー)が登る
 ④ロープを上げる
 ⑤ロープを投げる
 ⑥懸垂下降で下りる
 ⑦ロープを回収する

順に説明していきます。
 ※自分用のメモです。

①事前準備をする

 ・ロープをほどいておく。

 ・ロープをハーネスに、フィギュアエイトフォロースルーで結ぶ。
  トップはロープの上を、セカンドはロープの下で結ぶ。
  右利きの場合、ロープはタイインループの左側に結ぶと、カラビナ操作の邪魔にならない。

 ・セカンドはATCを装着し、ビレイの準備をする。

 ・トップとセカンドで、お互いの装着を確認し合う。

②トップが登る(リード)

 ・トップはセカンドにビレイを依頼する。

 ・トップはボルトにクイックドローをかけ、ロープを張っていく。

 ・セカンドは下でビレイをする (注)
  何もなければロープを繰り出していく。
  ロープは緩めすぎない。
  ATCが上向きに宙に軽く浮く程度に、軽くテンションをかけておく。

 ・トップは上(ビレイポイント)に着いてセルフビレイを取ったら、
  セカンドにビレイ解除を指示する。
  「ビレイ解除!」

 ・セカンドはビレイを解除したら、トップにロープを引き上げてもらう依頼をする。
  (セカンドのクライミングに備えて、テンションをかけてもらう)。

  「ビレイ解除しました!」(トップのアクションには不要なので、省略しても良い)
  「ロープアップ!」

 ・トップはロープを引き上げる。

 ・セカンドはロープにテンションがかかる手前で、トップにロープアップ停止を指示する。

  「ロープいっぱいです!」

 ・トップはセカンドの登りに備え、ビレイする。

③セカンドが登る

 ・トップはセカンドに登ってくるように指示する。
  「登ってください!」

 ・セカンドはクイックドローを回収しながら登っていく。

 ・ビレイポイントに着いたら、まず支点にカラビナをかけ、
  本ロープでビレイをとる(クローブヒッチ)。

 ・次にスリングでセルフビレイを取る。

④ロープを上げる

 ・ハーネスからロープを外し、ロープを全て上に引き上げる。

 ・ロープを支点(生きた木か、動かない岩)に巻きつける。

 ・ロープの両端を片手に持ち、支点に巻いたロープを引いていく。

 ・ロープの先端を結ぶ(すっぽ抜け防止)。
  ただし、ロープの投げ先に木があるときは、先端は結ばない。
  投げたロープが枝にひっかかると引いても回収できなくなる恐れがある。すっぽ抜けに注意する。

 ・左手にロープを折り返しながら畳んでいく(ロープを回してはいけない)。

 ・半分畳んだら一回手首に送り、残りの半分をまた畳んでいく。

 ・ロープが下半分と上半分に折り畳まれた状態になる。

⑤ロープダウン

 ・下の人に声をかける。
  「ロープおろします!」

 ・まず、下半分のロープを投げ、少し間を置いて上半分を投げる。


⑥懸垂下降で降りる

 ・ロープをエイト環もしくはATCにセットする。
  セルフビレイより前に出て後傾して体重をかけ、制動を確認する。

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 ・セルフビレイを解除する。

 ・懸垂下降中は右手を絶対に離してはいけない。

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 ・投げたロープが整っていない場合は、トップで降りる人が修正しながら下りていく。

 ・先に下りた人は、ロープの片方を引いて、ロープが引けるか確認する。
  ロープが動かない場合は回収不能となってしまうので、
  その場合は「支点を替えてください!」と依頼する

 ・次に下りてくる人のために、ロープの末端を持つ。
  万が一、次の下降者が右手を離してしまった場合、ロープを引くことで落下を防ぐことができる。


⑦ロープを回収する
 
 ・ロープ末端の結び目をほどき、片方を引っ張り、ロープを回収する。



(注)ビレイの注意点

セカンドが注意すべきことは2つあります。

1つは、ビレイ位置です。
万が一、トップの人が滑落すると、ビレイヤーは前方に引っ張られます。
岩から離れたところに立っていると、その衝撃で壁に激突していまいます。
それを防止するため、最初から岩スレスレに立ちます。

2つ目は、落石です。
トップの人が落とす石はトップの人の責任ではないそうです。
落石に当たらないよう、よく上を見ること、そして岩が膨らんでいるところに立つこと。
岩が凹んだ所だと落石に当たる可能性が高まるそうです。
石が落ちてきたら球筋ならぬ石筋をよく見極めること。

上に着いたら、すぐにセルフビレイをとります。
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写真ではスリングがたるみ気味ですが、通常はもう少し後ろに下がって、
張り気味にしておきます。


■感想

・クライミングの作法は、リーダーやガイドの考え方によって異なります。
 今回のリーダーは、シンプルがベストという考えの持ち主でした。
 どのやり方が正解ということはないので、指導者の流儀に合わせるしかなさそうです。

・岩場では、少しの時間のロスが積もり積もると、練習の回数が減ってしまいます。
 日和田山の岩場は、週末ともなれば50名ほどのクライマーで賑わうそうです。
 後続の人に順番が回るよう、ロープを外したらすぐにそこから離れるなど
 無駄が発生しないように気をつけます。
 ちなみに、今日は雨の予報だったためか、男岩は我々だけで貸切り状態でした。

・今回参加したサークルのリーダーは年配者でしたが、温厚な方でした。
 また、一つ一つの行為に合理性があり、納得できるものでした。
 機会が合えば、また参加したいと思いました。

座・北アルプス塾(鹿沼岩山) [訓練]

2016.2.13(土)

座・北アルプス塾第4期生の第5回に行ってきました。
今回の参加者は14名でした。

目的地は、クラツーではお馴染みの鹿沼岩山です。

来月は懸垂下降の練習、4月はいよいよ判定試験ということで、
「今回は基本を徹底的にやるぞ〜!」
と小宮ガイド。

最近はパンチの不足した講習が続いていましたが、
今回はクライミングの基本事項を学ぶことができ有益でした。


■今回学んだこと
 ※自分用のメモなので、正確でない可能性があります。

①岩の登り方

平地で歩く時には、片方の足に重心を乗せ(荷重)、もう片方の足は抜重して空中に上げて、
前方に着地させることで歩いています。

山登りでも荷重と抜重は同じです。しかし、平地を歩くときに出来ているこの動作が、
岩場に来るとできなくなってしまいます。

具体的にイメージするために、足を肩幅の2倍程度に開いて立ってみます。
この状態で右足のみの一本足で立つにはどうしたら良いでしょうか?

右足に全体重を乗せることが必要です。
そのためには右足に体重を移動させます。
右足に体重を移動させると、頭も右足の上に来るはずです。

では、右足に体重移動するにはどうしたら良いのでしょうか。
バランスのとり方ができていない人は、左足を蹴り込み反動をつけることで右足に体重移動します。

これが岩場だったら、不安定な動きになります。
蹴り足の左足で、落石を起こすことにもなりかねません。

正しい体重移動は、左足は真っ直ぐのまま、右足でかがむことです。
よくストレッチで伸脚(しんきゃく)をするときのポーズです。
こうすれば左足を蹴り出さずに、ゆっくりとしたムーブで右足に荷重することができます。

この状態で左足の足場を探します。
右足に荷重していれば、左足をそんなに遠くに置くことはできません。
左足を置いたらば、同様に今度は左足に体重移動します。

次に荷重した左足で、軸足の母子球で真っ直ぐに立ち上がります。
立ち上がるときはスクッと立ち上がらずに、ゆっくりと動きます。
立つ足は伸ばしきらず、少し曲げておくとバランスを保つことができます。

以上の行為を「立ちこみ」と言います。
こうすれば手で体を引き上げなくても、楽に登ることができます。

なお、足元ばかりを見ていると、頭が下がってきます。
頭は下げずに、起こしておきます。

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②岩の下り方

登りと同様、下りでも体重移動をしながら下りていきます。
大事なことは、まず両足でしゃがみこむことです。両足は同じ高さのところにあります。

この時、手の位置は肩より下にあると良いです。
この状態で上半身を右に左にねじりながら、次の足を置く場所を探すために下を見ます。
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下を見るのは足の間から覗き込むのではなく、肩越しに見ます。
次に片足に荷重をかけたまま、抜重した足を下ろしていきます。


③ザックの収納法

参加者のザックを見渡すと、下半分が膨らんだ洋梨型のザックが多く見受けられます。
ザックの容積に対して持参品が少ないと、荷物がザックの下に偏り、上に空間ができてしまいます。

空間があれば脱いだ服をすぐ仕舞えるから便利だと思っていました。
しかし、このままだと歩行中に内容物が移動し、ザックに振られる原因になります。

以下の手順でザックの中身を均等にします。

 ・コンプレッションベルトを緩める。
 ・ザックを逆さにした後、横向きにしてよくほぐし、内容物を均等にする。
 ・この状態でコンプレッションベルトで締め付ける。


④プルージックコード

・ノッチ(クレイムハイストやプルージック)を持ちながら歩かない。
 ノッチを持ちながら歩く習慣がついてしまうと、滑落時に制動がかからず、
 ノッチごと落ちてしまいます。
 ノッチの下からロープを軽く握るような感じで手を添え、ノッチを押し上げます。
 押し上げたら手をロープから離します。コードより上に来たらば、同じ要領でノッチを押し上げます。

・プルージックコードを持つ時は、火傷防止のグローブをする

・プルージックコードをつける時は、セルフビレイをとる
 安全であることが明白な場合を除いては、セルフビレイを必ず取る習慣をつけます。


⑤その他

・待つ時は安全な所を選ぶ、谷には近寄らない
・ビレイ解除は平らな、安全な所で行う
・ビレイヤーの後ろや下には立たない


■鹿沼岩山

日吉保育園前でバスを降り、急な階段を上ると日吉神社に出ます。
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この神社は山の神である大山咋神(おおやまくいのかみ)を祀ったもので、
その由緒は長治元年(1104年)に遡るそうです。

地元の中学生が描いた素敵な看板が立っています。
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フィックスロープにビレイを取りながら登ります。
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帰りは同じところを2〜3人の組でショートロープで降りてきました。
体重移動をしながらのクライムダウンを学んだ後だったので、慎重になりました。

左下にいるのが三島ガイドです。
ただ座っているのではなく、ロープを確保しています(一応)。
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鹿沼の街を一望できます。
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この斜面で軸足荷重によるクライムアップとクライムダウンを繰り返し練習しました。
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斜面を登ってきて岩の上(黄色のロープのあたり)でロープを外したら怒られました。
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「ロープは、平らな安定したところで外すんだ!」

落ち葉のところまで進んでから外さないといけなかったのです。

下山後、「まちの駅・新鹿沼宿」で休憩しました。
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農家の方が持ち込む新鮮な野菜を購入できるのが嬉しいです。
できれば朝のうちに購入しておくと良いです。

昨年の暮れに下仁田ネギを買って、すき焼きで食べて美味でした。
下仁田ネギのシーズンは終わっていましたが、このネギも美味しかったです。
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■ビール隊長の今日の一杯

「まちの駅・新鹿沼宿」の「大越路(おおこえじ)」で、ニラそばと一緒にカンパ〜い!
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座・北アルプス塾(古賀志山) [訓練]

2016.1.10(日)〜11(月・祭)

座・北アルプス塾第4期生の第4回に行ってきました。

行き先は栃木・宇都宮にある古賀志山(こがしやま)です。
御岳と赤岩岳をまとめて「古賀志山」と総称することもあるようです。
赤岩岳にはパラグライダーのランディング場があります。

古賀志山の標高は583mですが、岩場が多く、クライミングの練習場にもなっています。

今回の参加者は、23名でした。
なお、都内からのバスには1〜3期の10名も乗車して移動しました。


■古賀志山

一番右の肩の部分が東稜(とうりょう)、その左が古賀志山です。
一番左(ネットにかかっている部分)が赤岩岳です。
緑色のランディング場も見えています。
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赤川ダム周辺はジョギングや散歩を楽しむ人で、ほのぼのしています。
真冬だというのに気温が高く、歩いただけで汗ばんできました。
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登山道は昨年9月の関東・東北豪雨で荒れています。
北コースには自己責任で立ち入ります。
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2日目は東稜(とうりょう)から古賀志山に向けて歩きます。

古賀志山は「NPO法人 古賀志山を守る会」が環境整備を行っています。
この道標も当会の製作です。
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携帯のアンテナが立っているのが古賀志山の頂上です。
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東稜には70歳代以上の先輩方が6〜7名、休憩されていました。
それぞれ単独登山のようですが、仲良くお話をされていました。

「この山は年金生活者ばかりが登るから、年金山と呼ばれてるんだ」
という貴重な?お話も聞けました。

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■練習内容

参加者が23名と多く、十分な練習量をこなすことができませんでした。
岩場の難度も低く、ロープ確保がなくても登ることはできます。

 <初日> 
 ・プルージック確保によるクライムアップ×2
 ・フェラータ架け替えによるクライムアップ×1
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 <2日目>
 ・プルージック確保によるクライムアップ×1
 ・トップロープによるクライムアップ×1
 ・ロープワーク
 (ダブルフィッシャーマンズ、クローブヒッチ、フィギュアエイトフォロースルー)
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■注意点

 ●クライミング時

 ・岩場で移動したときは、安定した、滑らないところに足を置くこと。

 ・クライミングでは、安定してから次のムーブを起こすこと。
  安定する前に動いてはいけない(バランスを崩す)。

 ・一歩はなるべく小さ目にする。足は広げない(起立の姿勢時の膝より上にあげない)。

 ・岩場にはつま先で立つ。サイドや土踏まずでは立たない。

 ・プルージックを移動させるときは、全体を握って動かさないこと。
  人間は落ちるときに握ってしまうもの。プルージックを握ると制動がきかない。
  2本指で押し上げる感じで動かすこと。


 ●支点の通過

 先行者の先にロープがカラビナ(ヌンチャク)を通っています。
 写真では分かりにくいですが、カラビナは2つ重ねてつけられています。
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 プルージックを外さずにここを通過するには、カラビナを1個ずつ外して、
 プルージックを移動させます。
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 カラビナを同時に2個外すと、フィックスロープが逃げてしまいます。


■プルージックコードの収納方法

プルージックコードによる確保が終了したら、コードをその場でギアラックに収納します。

①コードを2重の輪にします。
 結び目のない側を持って、ギアラックの下から上に通します。
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②写真のように通します。
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③これで完了。
 使うときは結び目を持って上に引けば、片手でほどけます。
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■本日の一杯

初日は宿泊した森湖館でカンパ〜い!
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そして2日目は、温泉施設「華ゆらり」の食堂で。
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お疲れさまでした〜!


■補足

当日、別行動中の班の参加者が滑落する事故が発生しました。

幸い大事には至らなかったようですが、他の参加者への情報開示含めて、
オペレーションに問題ありと感じました。

(下野新聞1月11日 13:19)
11日午前11時55分ごろ、宇都宮市古賀志町、赤岩山で登山中の女性が滑落し負傷したと消防通報があった。
宇都宮中央署によると、女性は左足首を骨折した。
※身元が特定される記述を一部、削除しました。

座・北アルプス塾(沼津アルプス) [訓練]

2015.12.5(土)

座・北アルプス塾第4期生の第3回に行ってきました。
今回の参加者は20名でした。

登る山は静岡県は沼津市にある「沼津アルプス」です。
標高はたかだか400メートル程度ですが、アップダウンが続きます。
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今回の練習の主眼は「ショートロープを経験する」です。

北アルプスを歩く際は、ガイドがクライアントをショートロープでつなぐことがあります。
クライアント側もショートロープの特徴を知った上で、
その機能が果たせるように慣れている必要があります。


■ショートロープとは

 ・クライアントの転滑落に対応する安全対策。

 ・ガイド1名に対してクライアントが1名の1:1、あるいはクライアントが2名の1:2が通常だが、
  最大時は1:3もある。


■ショートロープの特徴

 ・登りはガイドが先頭、下りはクライアントが先頭になる。

 ・ロープは常にテンションをかけておく。
  ロープが弛んでいると、異常がガイドに伝わるのが遅くなる。

 ・ロープは一本に張られる。

 ・クライアントが2〜3名の場合、途中の人はメインロープからヒゲを出してつながっている。
  これにより、途中の人がテンションをかけても、他の人に影響しない。
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■機材を手じまうときの注意

 ・下山後、使用した機材を丁寧に仕舞っていると、時間のロスになる。
  カラビナはスリングをつけたままザックに入れ、帰宅してから片付ける。


■沼津アルプス

日本の各地にある「ご当地アルプス」の一つです。

沼津アルプスは南から順に、

 大平山(356m)、鷲頭山(わしずやま)(392m)、小鷲頭山、志下山、徳倉山(256m)、
 横山(183m)、香貫山(かぬきやま)(193m)

と連なっています。

今回は、日守山(ひもりやま)公園から大平山に登り、鷲頭山から下りるルートです。

こちらが日守山公園の入口になります。
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ここまではバスで向かいましたが、電車ではJR三島駅から伊豆箱根鉄道に乗り換え、
原木駅で下車して歩いてくることもできます。

30分で日守山公園に到着しました。
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富士山も見えています。
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ハイキングや散歩で来ている地元の人もいるようでした。

柵の間を抜けて大平山に向かいます。
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いきなりの急な下りが待っていました。
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2時間歩いて、大平山の頂上に到着です。
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昼食後は、ショートロープでアンザイレンをして歩く練習です。
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鷲頭山に到着しました。
沼津アルプスの最高峰(392m)です。
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この山の魅力は、駿河湾と富士山の光景なんですね!
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下山は滑りやすいので、注意します。
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下山口はすぐそこですが、石が苔むしていてズルズルと滑ります。
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お疲れさまでした。
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最北端の香貫山まで歩くと、沼津まではすぐです。
旨いものを食べて帰ることができそうです。

千畳敷カール [訓練]

2016.1.30(土)〜1.31(日)

千畳敷の雪上訓練ツアーに参加してきました。
2日目は好天に恵まれ木曽駒ヶ岳に登る人も大勢いました。


■行程

新宿から高速バスで駒ヶ根 ICまで向かいます。
バスを降りたら、タクシーで菅の台バスセンターまで行きます。
ここからバスでしらび平駅に向かい、ロープウェイで千畳敷まで行きます。


■千畳敷までの交通

強風と水量規制のために昨日から駒ケ岳ロープウェイとしらび平までのバスが運行停止していましたが、
13時頃から運行再開となりました。

そのせいか、バスはガラガラです。
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チェーンをしています。
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雪の積もる山道をバスが走れるのだろうかと心配していましたが、
除雪車が良い仕事をしてくれていました。
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ロープウェイも空いています。
最新鋭のロープウェイは、液晶画面に案内映像(wmv)が流れます。
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■千畳敷カール

ここからカールに入っていきます。
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朝焼けの宝剣岳は赤らんでいます。
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30分後には快晴になりました。
空の色が信じられないほどに青いです。
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雪崩の巣を避けて、夏ルートを迂回して歩いています。
南アルプスがはっきりと見えています。
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木曽駒ヶ岳を目指し、続々と登っていきます。
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滑落停止訓練。
参加者が5名と少ないので十分練習できたのは良かったですが、
何度も坂を登り返す必要があり疲れました。
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ピッケルを刺すときは、脇を開けないよう注意します。
脇が締まっていないと、滑落の勢いで腕が伸びきってしまいピッケルが抜けてしまいます。
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■ホテル千畳敷

①外観

右側がロープウェイ駅、左側が宿泊棟です。
外壁の塗装が一部剥げています。
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1階は食堂、2階は宿泊施設になっています。
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②館内・部屋

室内は暖房が効き過ぎています。
準備は廊下に出ないと、暑くてたまりません。
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部屋は清潔で、旅館並みです。
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③食事

食堂。
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夕食は量がたっぷり!山の上でこれだけ頂けるとは嬉しいです。
でも今日は運動量が少なくお腹が空かず、だいぶ残してしまいました。
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朝食も美味しかった〜!
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昼食メニューはこちらです。
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駒ケ岳名物のソースかつ丼を頂きました。
お肉も衣も固めでした。ビール隊長は明治亭のソースかつ丼が好みです。
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④トイレ

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⑤その他

宿泊記念に、受付で「千畳敷ラスク」をいただきました。
独特な味付けで、なかなか美味しかったです。
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●データ

・1階は風呂。
 2階は受付と食堂。
 3階が寝床。

・トイレは水洗式で、使用済の紙も流すことができます。
 トイレの悪臭は皆無でした。
 男女別です。

・アルコール類は缶ビール、瓶ビール、生ビール、日本酒などを販売。

・冬季でも水が使い放題。
 お湯は、無料で供給されている。
 部屋と食堂にポットがある。また食堂で、無料でテルモスに詰めてもらうことができます。

・就寝時刻は特にない。
 消灯は部屋ごとに行う。夜間も廊下やトイレの照明は点いているため、ヘッドランプは不要。


【評価】 ※各項目とも5点満点評価。

 快適さ ☆☆☆☆
 食事  ☆☆☆☆
 トイレ ☆☆☆
 総合  ☆☆☆☆

座・北アルプス塾(鍬柄岳) [訓練]

2015.11.8(日)

座・北アルプス塾第4期生の第2回に行ってきました。

本来は群馬県は西上州の鍬柄岳(くわがらたけ)でロープ練習の予定でした。
しかし雨模様につき屋外練習は中止。
なんと、「からんの湯」という下仁田の入浴施設の広間を借りての屋内講習となりました。

今回の参加者は19名でした。

座・北アルプス塾ではカラビナでなく、フェラータデバイスの利用を推奨しています。
握力が不足気味な女性でも、フェラータの方が扱いやすいというのがその理由です。
(もっとも、フェラータ利用の是非については賛否があるようです。)

以下は自分用のメモです。

・カラビナはハーネスのビレイループにかけたら、そこから外さない。
 ロープ(プルージックコード)を外す際は、ロープのみを外す。
 カラビナは外さない。
 (誤って落とすのを防止するため)


■プルージックコード

・プルージックコードを結ぶには、両端を7cm以上残す。
 親指に巻き込み、2巻きする。
 2巻目は内側にする。

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・ロープはねじれていないこと。
 ほどいたら3回ほどしごくとよい。

・コブは強く引っ張っておく。

・移動時はプルージッックを持ったまま歩かない。

・ロープにかけるには、山から谷に向けて4回巻く。
 コブを動かす際は握って動かすのではなく、コブを押し上げる感じ。
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・移動時はコブを手の届く最も遠い所まで押し上げる。
 こうすることで弛みがなくなるので、転落距離が少なくなる。

・プルージックのついたカラビナはビレイループから外さない!
 プルージックのみを外すこと。

・未使用時はハーネスのギアラックにかけておく。
 コードを輪にして、コブじゃない方をギアラックの下から通し、輪の上から通す。
 片手で操作できるように練習しておく。

・プルージックコードをほどくには、コブからばらしていく。
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・プルージックコードはほどいて保管する。
 汚れたら中性洗剤で洗う。
 そのままにしておくと摩擦の効きが悪くなる。
 (砂などが入っているため)


■スリング

・掛け替え用の90cmスリング2本は、ビレイループの左右に1本ずつ取り付ける。
 (同じ側にはつけない)

・スリングが長すぎると膝にひっかかる。
 デイジーチェーンにして長さ調節をする。

・団子結びを2つ作る。
 その際、スリングの片方を伸ばし、D字型にしておく。
 そうすると、カラビナをかけた際、カラビナの位置がコブとぶつからない。

・スリングは手を伸ばした長さが良い。
 長すぎると手が届かなくて外せなくなる。


■カラビナ

・ロックを締めたら、少しだけ緩めておく。
 これをやらないと、ネジが一人でに強く絞まりすぎてしまう。
 この後、必ずロックがかかっていることを確認する。


■フェラータ

・フェラータをハーネスのギアループにかける際は、上からかける。
 (誤ってはずれるのを防止するため)

・クサリにかけたら、登る時にはフェラータよりも山側のクサリを持つ。
 (下を持つと落下時にフェラータに手が巻き込まれる)
 下る時も山側のクサリを持つ。

・移動時にフェラータを持たないこと。
 持つと転落時にロックが外れてしまう恐れがある。


■懸垂下降

・右手は絶対に離さないこと。
・左手は全て(下降器)の下から逆手でロープを持つ。


■カラビナ

・2つついているカラビナは、2つ同時に外さないこと。
 ロープが流されてしまう。

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裏妙義・ロックガーデン(登山教室) [訓練]

2015.12.23(水・祭)

ガイドにお願いしている登山教室(第4回)で、群馬県の裏妙義にある
ロックガーデンに行ってきました。

ロックガーデンはロープ練習に適した岩場です。
JR信越本線の横川駅から車で約10分ほどで駐車場に車をとめ、さらに10分ほど歩きます。


■ロックガーデン

懐かしい配色の電車ですね、「湘南色」と呼ばれているそうです。
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横川駅前でガイドさんと落ち合います。
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駅から10分ほど走ります。ここに車を置きます。4台分のスペースがあります。
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地図の真ん中に「ロックガーデン」とあります。
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星穴山が見えます。
壁に穴(射抜き穴、むすび穴)があいていて、そこから懸垂下降できるそうです。
ロープに自信がついたら、行ってみたいです!
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ここから入山して、10分ほど歩きます。
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落ち葉が深く、ズリズリと滑りながら進みます。
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もう目の前です。
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ジャ、ジャ〜ン!ロックガーデンに到着です。
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さすがにこのシーズンでは貸し切り状態です。
夏場にはヒルが出るそうです。

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■講習内容
※自分用のメモです。

①ロープワーク

 フィギュアエイトフォロースルー

 前回まではカラビナを使ってロープとハーネスをつないでいましたが、
 今回はカラビナを使わず直接ロープをつなぐ練習をしました。

 そこで使うのが フィギュアエイトフォロースルーです。

 まず、エイトノットを作ります。
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 ロープの末端をビレイループに通し、手前の輪に下から通します。
 手前の輪が「上側」を向いているように注意します。
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 ロープの末端を上の輪に持っていき、上から来るロープの左下から右に持ってきます。
 このとき、縦方向のロープはフィギュアエイトの内側に来るようにします。
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 上から来るロープの左側から、上の輪の上から下に通します。
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 上から来るロープの右側から、上の輪の下から上に通します。
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 ギュッと引っ張り、弛みをなくします。
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 クローブヒッチ

 ・普通にロープをカラビナにつなぐのに使う。

 ・両手でロープをつかみ、同じ方向に手をひねる(パチンコの要領)。

 ・パンダの耳のように輪ができたら、2つの輪を重ねてカラビナにかける。

 ・輪の重ね方は左右の輪をそのまま平行移動させるのがコツ。
  すなわち、片方の輪の裏に、もう片方の表を重ねる。
  輪を裏返して両方の裏と裏を重ねるとクローブヒッチにならない。

 ムンターヒッチ

 ・スイス人のムンターさんが発案した結び方。
  ビレイデバイスの代用に使うことができる。

 ・カラビナにロープをかけて、片側を逆手で持つ。 

 ・手を返して輪を作り、そのままカラビナにかけるとムンターヒッチの出来上がり。

②ムンターヒッチによる確保

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 ロープを引くとカラビナが反転することで、確保にも懸垂下降にもビレイデバイスの代用が可能。

③フィクスロープの張り方

 ・巻き道などで歩きにくい箇所ではロープを張り、ハーネスにつないだ
  カラビナをかけながら歩くと安心。

 ・木や岩にロープを巻いていく。
  安全に歩行できるところまで離れている場合は、スリングなどでそこまで届くようにする。

④肩がらみ懸垂

 ・長袖とグラブの準備があれば、ロープだけで懸垂下降ができる。

 ・ポイントはロープの屈曲を作って制動すること。

⑤カラビナの種類

 ・ストレートゲート
  カラビナに衝撃を与えると、ゲートが微かに開いてしまう。
  (ウィップラッシュ現象)

 ・ベントゲート
  ヌンチャク(クイックドロー)のロープを通す側に使われる。
  ギリギリのリーチでもロープをかけやすいという特徴がある。

 ・ワイヤーゲート
  ウィップラッシュ現象が起こらないように改善されている。

 ・オーバル型

 ・D型

 ・変形D型

 ・HMS型
  ムンターヒッチはHMS型で行う。

 左から順にストレートゲート、スクリューロック、ベントゲート。
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⑥スリングのまとめ方

 ・長いスリングをまとめるには、スリングを2〜3重の輪にして、
  ねじって両端をカラビナにかけると収まりが良い。


■本日の一杯

 本日もお疲れさまでした! 帰りの車内でビールをプシュッとして乾杯〜!!
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長野県山岳総合センター(登山教室) [訓練]

2015.12.6(日)

ガイドにお願いしている登山教室(第3回)で、長野県大町市にある
山岳総合センターの人工岩場に行ってきました。

前回(10/18)に練習したトップロープを何本か繰り返した後、
フリクションヒッチを用いた懸垂下降とロープの束ね方の練習をしました。


■人工岩場

人工岩場は大町市総合体育館の一角にポツンと立っていて、
山岳総合センターの建物からは離れています。
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高さは15メートルで、四面の壁にホールドがつけられているほか、
内部にボルダリング壁もあります。
本日は冬のせいか、他の利用者がおらず貸し切り状態でした。 (^^
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ガイド:
「じゃあ、一番上まで行ってみようか〜。
 上に立っちゃってもいいですよ☆」
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エ、エ〜ッ!一番上の壁は垂直ですよ。
できるはずないじゃないっすか!!

あ、あれ?
もがいていたら、できちゃったよ。
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正面には爺ヶ岳(写真)と鹿島槍ヶ岳が聳えています。
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■講習内容

①トップロープ

 ・トップロープのビレイをするとき、左手はロープの下をくぐらせてからロープを持つ。

 ・ロワーダウン時、ビレイヤーは左手はロープに軽く添えて動かさない。右手はロープを送っていく。

 ・ビレイの動作は、ビレイ・デバイスでロープが折り返っている部分の摩擦によるもの。
  右手で引っ張っているわけではない。
   ⇒右手に力を入れてロープを引かなくてよい。ロープの折り返しだけは確実に!

 ・クライマーはロワーダウンしたら一回しゃがみこむことでロープの弛みを作ること。
  これをやらないとロープが張ったままの状態のため、ビレイデバイスからロープを
  解除することができない。

 ・クライマーはロワーダウンが終了したら、すぐにそこを離脱して次の人に譲ることを
  念頭に行動すること。フリクションヒッチをほどくには、スリングの片方をカラビナからはずし、
  あとはカラビナごと強く引っ張れば解放される。
  その場を離れてから、それ以外の身支度をすること。

 ・クライミングの練習と同じくらい、カラビナをつけたりはずしたりという作業を
  繰り返すことも大事。何度もやること。

②懸垂下降

 ・フリクションヒッチには①プルージック、②マッシャー(フレンチ・プルージック)、
  ③クレイムハイストなどがある。

 ・ヒッチは4巻程度が良い。5巻以上すると、スムーズな下降ができなくなる。
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③ボルダリング

 ・体は壁から離れたり近づいたりを繰り返しながら登っていく。
  ムーブしないときは壁から離れることで、足元をよく見ることができる。

 ・このとき、肘は伸ばした状態にする。曲げて力を入れると疲れるし、
  壁に近づいているので足元や全体を見渡すことができない。

 ・ホールドにはつま先で立つ。これにより回転することができるようになる。

 ・手の届かないホールドにはカウンターバランスで取りにいくことができる。

④その他

 ・スリングの素材としてダイニーマが普及しているが、新しいケブラーも良い。
  これは、より高熱耐性がある素材。ライターでも燃えない。

座・北アルプス塾(釜沢ノ五峰) [訓練]

2015.10.12(月)

座・北アルプス塾第4期生の第1回、釜沢ノ五峰に行ってきました。

座・北アルプス塾は「南アルプス登り隊」や「剣岳登り隊」のような
参加資格はありません。

※例えば「南アルプス登り隊」は1年間の「北アルプス登り隊」の参加が条件です。

理屈としては登山が初めての人でも参加できるわけですが、
今日の参加者を見るとそれなりの経験を有した人たちでした。

今日の参加者は14名と、盛況でした。
初回の今回はフィックスロープを使用して、
初めて扱う各デバイスの使い方を練習しました。

釜沢ノ五峰は秩父にあり、その名の通り5つのピークがあります。
登山客が少ないので、じっくりとロープ講習をするのに適しています。

■デバイスの説明
 カラビナ
  部位の名称(ゲート、スパイン)
 フェラータデバイス
  使い方(ゲートが最大限開くように気をつける)
 ハーネス
  部位の名称(ビレイループ、タイインループ、ギアループ、レッグループ)
  装着の仕方
  末端処理(ウェストベルトは必ずベルトループに通す)
  適さないハーネス(簡易ハーネス、冬山用は適さない)
 プルージックコード
  ダブルフィッシャーマンズノットの作り方
 ヘルメット
  被り方(眉に合わせる、ヤンキー被りはNG)

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■練習内容と注意点

 ①フェラータを使った掛け替え

  ・移動時にフェラータを手で持たない
   手で持つと、握ってロックをはずしてしまう恐れがある。
   スリングを持って引っ張ること。

  ・三点支持でクサリ(ロープ)を持つときは、フェラータよりも上側を持つ
   下側を持つと、滑り落ちてくるフェラータに手を巻き込まれる。

  ・フェラータは上掛け、カラビナは下掛け

  ・必ず三点支持をすること
   片手はクサリ(上位側)を持る。

 ②プルージック(Prusik)コードを使った制動のかけ方

  ・クレムハイストのフリクションノットを作るときは、必ず山側を向く。
   谷側を向いてフリクションノットを作ると、制動がかからない。

   注)クレムハイスト(Klemheist)はロープの結び方で、
     フリクションノットで制動をかけることができる。

  ・小さい輪をロープに被せ、手前から4回巻く

  ・登るときはクレイムハイストを上にずらしたらノットから手を離す
   握りっぱなしだと制動がかからない。
   登りすぎない、ブルージックより前に出ない。

  ・下るときは軽くテンションがかかったら下にずらす
   大股で降りず、極力小股で下る。

  ・カラピナはビレイループから決して外してはならない
   プルージックコードを外すときも、カラビナはビレイループにかけたままにする。
   カラビナをビレイループから外すと、失くす原因になる。

  ・プルージックコードの使用が終わったら、ギアループに納める
   使うたびに収納する習慣をつけないと、失くす原因になる。

 ③ビレイ器を使った下降時の制動のかけ方

  ・ビレイ器で下降できるが、「下降器」ではない
   「ビレイ」とは確保すること。
   ビレイ器はあくまでもビレイするためのデバイス。

  ・右利きの場合、カラビナのゲートが左に来るように

  ・下降中、右手は絶対に離してはいけない

  ・足元を見ながら下る

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三ノ峰からの展望です。
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■今日の一杯
釜沢ノ五峰を管理していただいている長若山荘さんの自販機でビールをゲットしました!
今日もお疲れさまでした〜!
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