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聖岳(南アルプス) [山行]

2016.9.16(金)〜19(月)

クラツーの「南アルプスに登り隊」で、聖岳に行ってきました。

聖岳は奥深くアプローチが不便なため、百名山走破の最後に選ぶ人が多いと言われます。

今回は台風16号が九州に接近中で、3日目からは南アルプスも雨に見舞われました。
予報では風速15m/秒以上が予測されていましたが、
幸い12m/秒程度(体感)で収まったため本聖岳までピストンで行って来れました。


■アプローチ

聖岳登山口のアプローチは、2通りあります。
(一般車両は、畑薙第一ダムから先に入ることはできません)

①聖岳登山口までのバスを利用する(井川観光協会運行)

・井川ビジターセンター(南アルプス井川観光会館)から、
 井川観光協会の送迎車(定員25名)に乗車する。
・聖平小屋、横窪沢小屋、茶臼小屋のいずれか、もしくは特定の民宿宿泊時に無料乗車。
・平成28年の運行は7/16〜9/19(上記小屋の営業期間中)
・詳細は「平成28年度 南アルプス登山観光情報」(静岡市)
 リンク切れの場合は、 南アルプス登山情報(静岡市)

②聖平小屋までのバスを利用する(特殊東海フォレスト運行)

・畑薙第一ダムから、(株)特殊東海フォレストの送迎バスに乗車する。
 ※畑薙第一ダムの乗降地は、7/16~10/10は「畑薙夏期臨時駐車場」に変更
 (日程は平成28年の場合)
・椹島ロッジ、二軒小屋ロッジなど、特定の小屋に宿泊時に無料乗車。
・椹島ロッジ営業期間中の運行(平成28年は4/29~ 11/6)。
・詳細は「平成28年度 南アルプス登山観光情報」(静岡市)
 リンク切れの場合は、 南アルプス登山情報(静岡市)、あるいは椹島ロッジ
・聖岳登山口での下車もできます。

なお、畑薙第一ダムまでの交通期間は自家用車のほか、

 ・しずおかジャストライン「南アルプス登山線」バス(JR静岡駅発)
  (鳥坂営業所) TEL 054-345-3444

 ・あるぺん号 南アルプス 畑薙ダム・井川方面 バス(新宿駅発)

 ・千代田タクシー(静岡駅発)

が利用できます。

バス利用時は、運行日に注意してください。


■初日:畑薙ダム〜椹島ロッジ

今回はツアー利用なので、畑薙夏期臨時駐車場までツアーバスで向かいます。
そこから、特殊東海フォレストの送迎バスに乗り換え、椹島ロッジまで乗車します。

新東名高速を新静岡ICで降りると、バスは県道189号を走ります。

静岡って、本当にお茶畑が多いんですね〜!と実感。
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県道60号で北上し、富士見峠の展望台で時間調整をします。
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ここで、同じクラツーの「山旅会」の一行と出会いました。

「富士見平」と言っていますが、展望台の向きは富士山とは逆を向いています。
ここから見える山は、こうなっています。
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そして、実際はこう。
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ダム。
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「井川小学校」の看板があったので、撮影しました。
後で調べたら2016年4月に井川中学校に併合されたとのことなので、
この校舎は閉校されたのでしょう。
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井川ビジターセンター。
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全体マップ。
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バス乗り場(下山時に撮影)。
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バスは満席になったら発車します。
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途中、左手に赤石岳が姿を現します。
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椹島ロッジに到着です。
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青・赤・黄、信号機のようです。
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大人数のときには、タッパーにおつまみを入れるというアイディア、いけますね。
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椹島ロッジの詳細はこちら。


■2日目:椹島ロッジ〜聖平小屋

山の朝は早い、しかも小屋は早い時間に朝食を出してくれるのです。

2日目は5時に朝食をとり、6時15分発の送迎車で聖岳登山口に向かいます。
登山口まで歩くと50分ですが、バスだと10分です。

途中、赤石岳が見える箇所があり、バスが停まってくれます。
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聖沢登山口。 毎日旅行の6人パーティが先行です。
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すぐに急登が始まります。
南アルプスは釣鐘状の山が多く、登山口付近に急な登りがあるそうです。
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ブラシ状の形をしたテンニンソウ(天人草)。
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出会所小屋跡まで30分ほど、登りは続きます。
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季節柄、いろんなキノコが群生していました。
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30分も歩くと道が緩み、開けたところに出ます。 出会所小屋跡です。
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セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)。
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こうした橋が多数かけられていますが、中には落石によるものなのか、
損壊しているものもあります。
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これを上ると聖沢吊橋です。
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聖沢吊橋は揺れるので、一人ずつ渡りましょう。
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造林小屋跡で休憩です。
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これが小屋の残骸なのでしょうか・・・。
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造林小屋跡から30分ほど歩くと、右手に聖岳がチラホラと見え始めます。
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ここで湧いている水は飲むことができます。
ちょうど、蛇口のようになっています。
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こちらの吊り橋は「定員5人」とありますが、一人ずつ行きましょう。
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支点となっている木が頑張ってくれています。
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吊り橋の先から、トラバース道が一部崩れかかっているので、慎重に歩きます。
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10分ほどで沢を渡ります。
ここまで来れば危ないところは終わり、昼の弁当を頂きます。
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椹島ロッジで購入の弁当。
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笊ヶ岳(ざるがたけ)方面も見えています。
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セリバシオガマ(芹葉塩竈)。
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カニコウモリ(蟹蝙蝠)。
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ゴゼンタチバナ(御前橘)。
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ミツバオウレン(三葉黄蓮 )。
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伊勢湾台風で縞枯れした木は、60年近くたった今も回復していません。
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この橋を渡ると、小屋まであと20分です。
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やっと、聖平小屋に着きました〜!
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早速、小屋名物のフルーツポンチをいただきます!
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聖平小屋の詳細はこちら。

■3日目:聖平小屋から聖岳のピストン(往復)P9181310.jpg

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小聖岳までは1時間半で、特に危険なところはありません。
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この先は稜線に出るので、強風で煽られないように注意です。
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10数メートルの風が吹き、体温が奪われます。
岩陰を見つけて、フリースを着込みました。

聖岳(前聖岳)に到着です。
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天候がさらに悪化する前に、早々に下山をかけます。
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小屋に戻ってきて、弁当の稲荷寿司と、カレーライスを注文して昼食にしました。
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この後、さらに風雨は強まりました。
山旅会パーティは11時に茶臼岳に向けて出発しましたが、
危険と判断し13時に引き返してきました。


■4日目:聖平小屋〜畑薙ダム

最終日も4時に朝食をとり、5時に出発です。
今日は椹島ロッジまで歩き、シャワーに入った後、ツアーのバスで帰京します。

本日も雨模様です。
こんな日に、木製の桟橋を歩きたくないです・・・。
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【06:21】
岩頭滝見台。
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2本の滝が流れています。
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【07:16】
まるで蛇口から水が流れ出しているかのようです。
ここに手を差し伸べて飲むことができます。
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【07:30】
乗越で休憩中、聖岳がよく見えました。
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【10:45】
聖岳登山口に到着。
椹島ロッジまで徒歩40分です。


■椹島ロッジ

①外観

「株式会社東海フォレスト 椹島事務所」の看板がかかっています。
送迎バスで到着すると、ここから入り宿泊受付をします。
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同一構造の宿泊施設がが3つ、並んでいます。
手前からA棟、B棟、C棟です。
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このほかに、素泊まり用の椹島登山小屋があります。


②受付

受付は担当者不在のことが多いです。 
奥の事務所にいない時は、どこに行っているのでしょうか。
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貼ってある雷鳥のポスターが可愛いんです。
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③館内

ロッジに到着すると、スタッフが長々と施設案内をしてくれます。
長い割には有益な情報はなかったです・・・。
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B棟2階の通路。
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蔵書類。
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ゴミ箱だってあります。
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そして、シャワーと風呂もあります。
なんとシャンプー・石鹸も完備! これは嬉しい。
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④広間・寝床

押入れだってあるんです。 普通の旅館ですね。
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⑤食事

食堂の雰囲気。
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夕食。ご飯と味噌汁もつきます。
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朝食。
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⑥流し場・トイレ

流し場は、宿泊棟各階トイレの入り口にあります。
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トイレは男女別(1Fが女性、2Fが男性)になっています。
各宿泊棟のほか、受付のところにもあります。

建物は古いですが、便器は新しくきれいです。 
無臭で完全水洗式(使用済の紙も流せます)。

ウォシュレットだってついてます!
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⑦その他

レストハウス。
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●データ

 ・ネット接続はフリーWiFiが利用可能(ふれあいセンター周辺のみ)。
 ・トイレは男女別で完全水洗式。無臭。
 ・風呂あり(石鹸、シャンプー使用可能)。
 ・消灯後のトイレ利用はヘッドランプが不要。

【評価】 ※各項目とも5点満点評価。

 快適さ  ☆☆☆☆☆
 食事   ☆☆☆☆
 トイレ  ☆☆☆☆☆
 スタッフ ☆☆☆(愛想がない!) 
 総合   ☆☆☆☆☆
      (対応は悪いが、この山奥でこの施設は、満点でしょう)

2日目の記録はこちら。


■聖平小屋

①外観

高台に建っているので、段を上ります。
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②受付

少しゴチャゴチャしています。
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併設の売店。
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雨天時にトイレに行くときには、この長靴が必須です。
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③館内

立派な冬期避難小屋が併設されていますが、写真を撮り忘れました。


④広間・寝床

寝具はLOGOSの寝袋です。
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個室空間もあります。
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⑤食事

食堂の雰囲気。
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キッチン。
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初日の夕食。
甘露煮は少し生臭かったです。
圧巻は名物の豚汁です。ご飯茶碗と同じぐらいの大きさです。
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朝食。 卵焼きが大きい!
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2日目の夕食は、なんとバイキングです。
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そして、無料ビールも振る舞われました。
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この後、スタッフが生姜焼きと焼き肉のお代わりを山盛りにしてくれました。
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食べ放題、飲み放題の超サービスは、小屋閉まい前日の限定です。
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⑥流し場・トイレ

流し場は玄関を出たすぐにあります。
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トイレは屋外で、宿泊棟から2〜3分行ったところにあります。
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個室は6席あります。
部屋自体は古く狭いですが、便器は新しくて(LIXIL製)きれいです。
水洗式で、無臭です。
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予備の紙も十分あります。
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●データ

 ・トイレは屋外で男女共用。狭いがきれい。
  水洗式(紙は箱に捨てる)で、無臭。

 ・携帯はつながらない。
  小屋から5分ほど行ったところに、電話のみつながるスポットがある。

 ・消灯後のトイレ利用には、ヘッドランプが必要。

【評価】 ※各項目とも5点満点評価。

 快適さ  ☆☆☆☆
 食事   ☆☆☆☆
 トイレ  ☆☆☆
 スタッフ ☆☆☆☆ 
 総合   ☆☆☆☆

3日目の記録はこちら。


■後記

・「南アルプスに登り隊」というのは、一年間の「北アルプスに登り隊」の修了者のみが 
 参加招待を受ける年間シリーズ企画です。

 毎月歩いているにもかかわらず、歩き方が??な方が多いです。
 年配者も多く、とにかく歩くスピードがゆっくりです。
 特に下り坂のスピードが危険なくらいに遅い。
 制動をかけながら降りるため、逆に筋肉痛になってしまうくらいです。

 ではなぜ、そんなツアーに参加するのか?
 今回のようにアプローチが不便な山では、ツアー任せが楽だというのが一つ。
 大勢で行くと、それなりに楽しいというのが二つ。
 そして、いろんな意味での学習をするというのが三つです。

・前回の白根三山の山小屋の環境に懲りて、南アルプスにはもう来なくていいやと
 思っていました。

 今回利用する椹島ロッジと聖平小屋は良かったです。
 椹島ロッジは、ダム建設時の作業者向け宿泊施設をそのまま活用しているそうです。
 同じ東海フォレスト系列の二軒小屋ロッジも良さそうです。
 残念なのは、小屋のスタッフがピリピリしていて、すごくつっけんどんなこと。
 チ○ピラみたいなルックスの人もいました。
 
 比して、聖平小屋はご主人の原田さんの笑顔とサービス精神が(完璧ではないが)
 かなりゆき渡っています。
 バイトの大学生は、
  「以前にこの小屋に泊まって、原田さんとの劇的な出会いがありました」
 と語っていました。

 経営は井川観光協会のようです。台風が接近する中、観光協会から小屋締めの
 オーダがあり、また強風のために出戻りしてきたツアー客もいる中でも
 にこやかな対応が印象的でした。


■データ

 ▼コースタイム

 (2日目)
  聖沢登山口(06:28)〜<38分>〜(07:06)出会所小屋跡(07:16)〜<45分>〜(08:01)聖沢吊橋(08:08)〜<1時間17分>〜(09:25)造林小屋跡(09:35)〜<45分>〜(10:20)乗越(10:27)〜<3時間8分>〜(13:35)聖平小屋

 (3日目)
  聖平小屋(05:00)〜<28分>〜(05:28)薊畑(05:28)〜<1時間2分>〜(06:30)小聖(06:30)〜<1時間20分>〜(07:50)前聖岳(08:00)〜<55分>〜(08:55)小聖(09:36)〜<11分>〜(09:47)薊畑(09:47)〜<18分>〜(10:05)聖平小屋

 (4日目)
  聖平小屋(05:00)〜<1時間20分>〜(06:20)岩頭滝見台(06:23)〜<1時間>〜(07:23)乗越(07:37)〜<33分>〜(08:10)造林小屋跡(08:20)〜<45分>〜(09:05)聖沢吊橋(09:12)〜<1時間3分>〜(10:15)出会所小屋跡(10:15)〜<30分>〜(10:45)聖沢登山口(11:00)〜<40分>〜(11:40)椹島ロッジ

 ▼使用した靴

  LA SPORTIVA TRANGO ALP EVO GORE-TEX

  今回は秋雨前線の停滞と台風の接近で降雨が予想されたので、
  久しぶりにこの靴を持ち出しました。
  農鳥岳をアプローチシューズで歩き、雨でずぶ濡れになった悲劇を繰り返したくないので。

  この夏はずっとファイブ・テンのアプローチシューズを履いていたので、
  アルパインシューズを久しぶりに履きました。

  痛感したのは重い!そして固い!ということ。

  まるで鉛でも足につけているようです。2日目には太ももが疲れてしまいました。
  3日目の後半から足は慣れてきましたが、重いことに変わりはない。

  また、靴底が固いので斜面を登りにくいし、地面の感触が伝わってきません。
  アプローチシューズだと、このへんの感じがほど良いんですね、ホント。

  しかし、冬シーズンが近づいてきて、この履き心地の悪さに慣らしていかないと。


 ▼使用した地図

  「山と高原地図 42 塩見・赤石・聖岳」


参考資料

 ・BS−TBS「日本の名峰・絶景探訪」
  「懐深き秘境へ 聖岳」(2015年9月19日・放映)

 ・NHK BSプレミアム「にっぽん百名山」
  「聖岳」(2016年9月12日・放映)
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