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日和田山(クライミング) [訓練]

2016.2.14(日)

埼玉県・奥武蔵の日和田山に、クライミング・サークルの練習にゲスト参加で行ってきました。
ビール隊長を含めて参加者は6名でした。


■練習内容

①頂上直下の岩場
 
 ・リードクライミング(シングルピッチ) セカンド×1本
 ・リードクライミング(シングルピッチ) トップ×1本

②男岩

 ・一般ルート(南面): リードクライミング(シングルピッチ) セカンド×2本
 ・西面: トップロープ×3本


■日和田山

朝8時5分に、西武池袋線の高麗駅で待ち合わせです。

駅前には、朝鮮半島の道祖神「将軍像」が建てられています。
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1,300年ほど前、朝鮮から渡ってきた人たちがこの一帯に移り住んだことに
由来しているそうです。

駅からはリーダーの車に乗り、駐車場に向かいます。
桜が一部、開花していました。
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金比羅神社の鳥居をくぐります。
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昨晩から降り続いた雨で岩肌は濡れています。
これから晴れて岩が乾くことを期待し、まずは頂上直下の岩場に向かいます。
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各自、ロープを分担して持ちます。
IMG_2438 (1).jpg

リーダーによると、頂上直下の岩場はこのサークルが使い始めたそうです。
最近では他のグループも見かけるようになったとのことです。

ここでシングルピッチの練習をしました。
IMG_2444 (1).jpg
IMG_2451.jpg

下りはエイト環を使った懸垂下降です。
エイト環を使うのは初めてでしたが、コツはATCと同じです。

午後は場所を男岩に移しました。
まずは南面(一般ルート)に挑戦です。

リーダーが「普段なら難しくないよ〜」と言われるのですが、
今日は岩が濡れていて若干苦戦気味です。
ビール隊長もなんとかクリアです。
IMG_2467.jpg

西面はトップロープで登ります。下りはロワーダウンです。
IMG_2481.jpg


■ロープをほどく

ロープを扱う際、操作性をよくするため「ほどく」「さばく」作業は必ず必要になるので、
基本動作を覚えておきます。

 ・持参してきたロープの結わえてあるところをほどいたら、
  まず、ロープの片端を見失わないように伸ばして脇に置いておく
  (この先端を「ロープの下」という)。
  先端を見失うと、探す時間がもったいない。

 ・次にロープを両手に持ち、右手から左手に送っていく。
  こうしてロープをほどいておくことで、絡まずにロープを引っ張ることができる。

  リードをするときは、ほどき終わったロープの先端
  (先ほど、脇に置いておいたのとは反対側、ロープの上)をハーネスにつなぐ。

 ・以上を「ロープの上と下を作る」という。

左のロープの先端がロープの下になります。
  IMG_2439.jpg


■スリングとカラビナの取り扱い

カラビナをすぐに取り出すためのコツがあります。

 ・すべてのことを60cmスリングでできるようにしておく。
  ただし、1本だけ120cmスリングを持っていると、応用範囲が広い。
  セルフビレイを取るときや、負傷者を背負うときにも使うことができる。

 ・スリングを1本、左手を通してたすき掛けにする。
  これにカラビナやスリングなどをかけておく。

  予備のスリングや回収したスリングは、逆のたすき掛け(右手を通す)にしておく。
  こうすることで、素早い対応が可能になる。

  ただし、ヤブなどでスリングを引っかけやすいというデメリットがある。
  引っかけると、予期せずして体を後方に持って行かれてしまう。

  このため、ガイドによってはこれを嫌う人もいる。
  そのことを認識した上で、落下するときにはヤブを避けていく。

 ・シングルピッチのようにゆっくりと登ることができるルートでは、
  金物類はハーネスのギアラックに装着しておく。

  しかし、危険なルートでは一刻も早くカラビナを装着したい。
  腰の脇から正面に持ってくる時間がもったいないことがある。
  このような時は、最初から正面のタイインループにカラビナをかけておく。

 ・カラビナをハーネスのギアラックにかける時は、上からかけおろすよりも、
  下からすくってかけるのが良い。
  カラビナを外したとき、自然な流れで腕を下におろして休めることができる。


■リードクライミング(シングルピッチ)

最初に金物(かなもの)類の説明を受けた後、頂上直下の岩場を早速、
シングルピッチのリードクライミングで登っていきます。

リードクライミングの仕組みがどうなっているかも分からず、見よう見まね状態です。

1本目は、Iさん(経験1年)がトップ(クライマー)です。
途中の支点(ハーケン、リングボルト)にクイックドロー(ヌンチャク)をかけ、
ロープを通していきます。
IMG_2441.jpg

隊長はセカンド(ビレイヤー)です。セカンドの役割は、下でビレイをすることです。
何もなければ、トップの動きに合わせてロープを繰り出していきます。


2人で上っていくシングルピッチの流れは、次のとおりです。

 ①事前準備をする
 ②トップ(クライマー)が登る
 ③セカンド(ビレイヤー)が登る
 ④ロープを上げる
 ⑤ロープを投げる
 ⑥懸垂下降で下りる
 ⑦ロープを回収する

順に説明していきます。
 ※自分用のメモです。

①事前準備をする

 ・ロープをほどいておく。

 ・ロープをハーネスに、フィギュアエイトフォロースルーで結ぶ。
  トップはロープの上を、セカンドはロープの下で結ぶ。
  右利きの場合、ロープはタイインループの左側に結ぶと、カラビナ操作の邪魔にならない。

 ・セカンドはATCを装着し、ビレイの準備をする。

 ・トップとセカンドで、お互いの装着を確認し合う。

②トップが登る(リード)

 ・トップはセカンドにビレイを依頼する。

 ・トップはボルトにクイックドローをかけ、ロープを張っていく。

 ・セカンドは下でビレイをする (注)
  何もなければロープを繰り出していく。
  ロープは緩めすぎない。
  ATCが上向きに宙に軽く浮く程度に、軽くテンションをかけておく。

 ・トップは上(ビレイポイント)に着いてセルフビレイを取ったら、
  セカンドにビレイ解除を指示する。
  「ビレイ解除!」

 ・セカンドはビレイを解除したら、トップにロープを引き上げてもらう依頼をする。
  (セカンドのクライミングに備えて、テンションをかけてもらう)。

  「ビレイ解除しました!」(トップのアクションには不要なので、省略しても良い)
  「ロープアップ!」

 ・トップはロープを引き上げる。

 ・セカンドはロープにテンションがかかる手前で、トップにロープアップ停止を指示する。

  「ロープいっぱいです!」

 ・トップはセカンドの登りに備え、ビレイする。

③セカンドが登る

 ・トップはセカンドに登ってくるように指示する。
  「登ってください!」

 ・セカンドはクイックドローを回収しながら登っていく。

 ・ビレイポイントに着いたら、まず支点にカラビナをかけ、
  本ロープでビレイをとる(クローブヒッチ)。

 ・次にスリングでセルフビレイを取る。

④ロープを上げる

 ・ハーネスからロープを外し、ロープを全て上に引き上げる。

 ・ロープを支点(生きた木か、動かない岩)に巻きつける。

 ・ロープの両端を片手に持ち、支点に巻いたロープを引いていく。

 ・ロープの先端を結ぶ(すっぽ抜け防止)。
  ただし、ロープの投げ先に木があるときは、先端は結ばない。
  投げたロープが枝にひっかかると引いても回収できなくなる恐れがある。すっぽ抜けに注意する。

 ・左手にロープを折り返しながら畳んでいく(ロープを回してはいけない)。

 ・半分畳んだら一回手首に送り、残りの半分をまた畳んでいく。

 ・ロープが下半分と上半分に折り畳まれた状態になる。

⑤ロープダウン

 ・下の人に声をかける。
  「ロープおろします!」

 ・まず、下半分のロープを投げ、少し間を置いて上半分を投げる。


⑥懸垂下降で降りる

 ・ロープをエイト環もしくはATCにセットする。
  セルフビレイより前に出て後傾して体重をかけ、制動を確認する。

   IMG_2456.jpg

 ・セルフビレイを解除する。

 ・懸垂下降中は右手を絶対に離してはいけない。

   IMG_2471.jpg

 ・投げたロープが整っていない場合は、トップで降りる人が修正しながら下りていく。

 ・先に下りた人は、ロープの片方を引いて、ロープが引けるか確認する。
  ロープが動かない場合は回収不能となってしまうので、
  その場合は「支点を替えてください!」と依頼する

 ・次に下りてくる人のために、ロープの末端を持つ。
  万が一、次の下降者が右手を離してしまった場合、ロープを引くことで落下を防ぐことができる。


⑦ロープを回収する
 
 ・ロープ末端の結び目をほどき、片方を引っ張り、ロープを回収する。



(注)ビレイの注意点

セカンドが注意すべきことは2つあります。

1つは、ビレイ位置です。
万が一、トップの人が滑落すると、ビレイヤーは前方に引っ張られます。
岩から離れたところに立っていると、その衝撃で壁に激突していまいます。
それを防止するため、最初から岩スレスレに立ちます。

2つ目は、落石です。
トップの人が落とす石はトップの人の責任ではないそうです。
落石に当たらないよう、よく上を見ること、そして岩が膨らんでいるところに立つこと。
岩が凹んだ所だと落石に当たる可能性が高まるそうです。
石が落ちてきたら球筋ならぬ石筋をよく見極めること。

上に着いたら、すぐにセルフビレイをとります。
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写真ではスリングがたるみ気味ですが、通常はもう少し後ろに下がって、
張り気味にしておきます。


■感想

・クライミングの作法は、リーダーやガイドの考え方によって異なります。
 今回のリーダーは、シンプルがベストという考えの持ち主でした。
 どのやり方が正解ということはないので、指導者の流儀に合わせるしかなさそうです。

・岩場では、少しの時間のロスが積もり積もると、練習の回数が減ってしまいます。
 日和田山の岩場は、週末ともなれば50名ほどのクライマーで賑わうそうです。
 後続の人に順番が回るよう、ロープを外したらすぐにそこから離れるなど
 無駄が発生しないように気をつけます。
 ちなみに、今日は雨の予報だったためか、男岩は我々だけで貸切り状態でした。

・今回参加したサークルのリーダーは年配者でしたが、温厚な方でした。
 また、一つ一つの行為に合理性があり、納得できるものでした。
 機会が合えば、また参加したいと思いました。
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